【井川慶氏の眼】阪神・青柳の良さが見えた投球

 「阪神1-3ヤクルト」(7日、甲子園球場)

 阪神は甲子園開幕戦で終盤にヤクルトの一発攻勢を許して逆転負け。首位奪取はならなかった。デイリースポーツ評論家・井川慶氏(43)は阪神先発・青柳晃洋投手(29)の投球を高評価し、次戦へ気持ちの「切り替え」を望む。

  ◇  ◇

 青柳は7回4安打1失点という数字を見ても、十分に先発の仕事を果たせたのではないか。もちろんチームが勝てればなお良かっただろうが、昨年以上にボールにもまとまりがあり、意図して際どいところへ投げられていたように思う。

 細かなところでは、打者を見ながらタイミングを変えて投げているように見えた。こういう器用さがあるからこそ、長いイニングを投げることができる。対左打者では、バックドアと言われる、外角のボールゾーンから曲げてストライクゾーンに入れるスライダー系のボールで、うまくカウントを稼いでいたし、内角の厳しいところも攻められていた。

 七回先頭のオスナに打たれた同点のソロ弾は、初球ということもあり、もったいないなと思う人もいるかもしれない。ただ先発投手であれば、試合を通して見ると誰にでもこういったことはあるもの。それほど背負う必要はなく、切り替えて次の登板に挑んでもらいたい。

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