阪神・湯浅 9球3人斬り 開幕守護神“一発快投”岡田監督ニンマリ「そら、いかすよ」
「ウエスタン、オリックス1-0阪神」(29日、杉本商事バファローズスタジアム舞洲)
阪神・湯浅京己投手(23)の開幕守護神が29日、決定した。ウエスタン・オリックス戦(杉本商事)でWBCから帰国後、初の実戦登板。1回を9球で無安打無失点に抑える好投を見せ、視察した岡田監督が「1軍になるんやったらクローザーにいかすよ」と明言。指揮官の期待に応える“一発快投”となった。
名前がコールされると、舞洲にひときわ大きな拍手が起こった。温かい空気に包まれながら湯浅はマウンドへ。世界一の勢いそのまま、腕を振った。「1軍になるんやったらクローザーにいかすよ。湯浅がいけるんやったら、そら、後ろにいかせるなら湯浅やん」。わずか9球で、視察に訪れた岡田監督をうなずかせた。
凱旋(がいせん)登板は六回。先頭の渡辺を2球で追い込むと137キロフォークで三ゴロ。続く代打・山中を外角低めの148キロ直球で右飛に仕留めると、最後は内藤をこの日最速の149キロ直球で、左飛に。輝きを増した安定感抜群の投球で、3人を料理した。
「投げたい球種も全部投げられましたし。9球の中でも収穫あったかなと。良い登板になったかなと思います」
WBCでの経験を早速生かした。持ち球の縦スライダーに加え、ダルビッシュから握り方を教わったフォーク、斜めに曲がるスライダーも試投。狙い通りのコースに投げられたといい、自身も納得の1イニングとなった。
帰国後は25日にチームに合流し、26日にブルペン入り。WBC球からNPB球の再適応も心配されていたが「全然問題なく、違和感なく投げられてたんで。しっかり調整して、開幕でもっといい状態でいけるように」と周囲の不安を払拭するように、力強く言い切った。
開幕守護神へ準備は万全だった。「自分は元々いけると思ってたので。(首脳陣に)判断してもらったら」。その言葉通り、まさに“一発快投”で指揮官の期待に応えた形だ。
世界の打者と対峙(たいじ)し、一回りも二回りも大きくなった。表情には充実感と自信が漂う。「たくさん貴重な経験させてもらいましたし、本当に充実した日々を過ごして帰ってきたので、開幕に向けて一切不安とかもないです。楽しみですし、しっかり結果を残せるようにやっていきたいと思います」。目前に迫る開幕戦へ、頼もしい男が帰ってきた。
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