【岡義朗氏の眼】阪神 存在感増す熊谷の初球二盗 信頼感勝ち取る代打・糸原の犠飛
「練習試合、阪神10-0サムスン」(19日、宜野座村野球場)
まだ調整段階とはいえ、阪神の選手がやるべき仕事をこなす姿に頼もしさを感じた。
六回1死一塁は代走で起用された熊谷が初球に二盗を決めた。いきなり仕掛けたことに意味がある。ベンチは勢いづくし、打者も楽になる。相手投手のクイックモーションを見て、タイミングを計るなど準備をしていたのだろう。代走や守備固めの選手は「盗塁は成功して当たり前。守備のミスをしないのが当たり前」と思われる中、存在感が増す働きだった。
2-0の七回無死二、三塁は代打・糸原が右犠飛を放って貴重な追加点をたたき出した。初めて対戦する投手に対して狙い球を絞り、コンパクトなスイングで打ち返した。確実性があって粘り強い打撃は健在で、シーズンでも同様の起用が想定される中、ベンチの信頼を勝ち取る打撃だった。
2人とも「何を求められて送り出されたのか」ということを理解して、きっちり結果を残した。1点を取りにいくための代打や代走の選手は、守り勝つための勝ちパターンの投手と同様に、絶対に必要な“駒”だ。勝つチーム、優勝するチームには必ずそういう存在がいる。シーズンへ向けて楽しみが広がるプレーだった。
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