【岡義朗氏の眼】走塁への高い意識見せた阪神・近本 ドラ1森下の思い切りの良さ、走塁も合格点に近い
「練習試合、阪神2-2DeNA」(18日、宜野座村野球場)
阪神は走塁への高い意識が伝わるプレーが随所に見えた。初回は先頭・近本が中前打の後、続く糸原の初球にスタートを切った。盗塁は失敗に終わったが、いきなり仕掛けたことに意味がある。実績がある選手の姿勢は、ベンチのメンバーに与える影響も大きい。「近本さんが最初から走るんだ」という刺激になるはずだ。
三回無死一、二塁は小幡の中前打で二走・森下が生還した。打球は投手が出したグラブの横を抜けるライナーで判断が難しい打球だったし、打者・小幡のタイプを考えれば相手の守備位置が前めになるだけに、森下の思い切りの良さは素晴らしかった。判断力は経験を重ねれば身につくが、思い切りの良さは生まれ持ったモノもある。注目されている打撃だけではなく、走塁も合格点に近いものがあるのではないか。
さらにこの場面で一走・梅野は二塁を蹴って三塁を狙った。結果は中堅手の送球をマウンド上でカットされ、二、三塁間でタッチアウトとなった。森下が完全にセーフのタイミングなら暴走だが、際どいタイミングだっただけに、確実に生還させるための“おとり”になるし、仮に本塁で憤死しても1死二、三塁から再開できる。
失敗しないと分からないことはあるし、この時期だから試せることがある。シーズンで足を絡めて得点を奪いにいく意欲が見えた試合だった。
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