佐藤義則氏×阪神・才木対談2 佐藤氏「カーブはバッターの手元で曲げるイメージ」

 カーブについて話すデイリースポーツ評論家・佐藤義則氏(左)と才木(撮影・中田匡峻)
 カーブについて話すデイリースポーツ評論家・佐藤義則氏(左)と才木(撮影・中田匡峻)
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 阪神・才木浩人投手(24)とデイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(68)の対談が実現した。若き虎のエース候補は、パドレス・ダルビッシュや楽天・田中らを育て、「名伯楽」と称される佐藤氏の投球論に熱心に耳を傾け、飛躍への大きなヒントをつかんだ。

  ◇  ◇

 佐藤氏(以下佐藤)「先日の紅白戦も見せてもらったけど、ストレートもスピードを増しているし、本当に素晴らしいボールがいっていたね」

 才木「ありがとうございます。僕の中では投球のメカニックだったり、体の使い方をどういう感じにすれば、いいストレートが投げられるかが、かなりわかってきました」

 佐藤「変化球はフォークという武器があるけど、今年はカーブにも磨きをかけようとしていると聞いた。狙いはなんなの?」

 才木「僕が今、一番求められている技術というのは、やっぱり変化球だと思うんです。僕と対戦する場合、相手は絶対に真っすぐに(ヤマを)張ってきます。なので、目先をかわすということもありますし、カーブも持っているんだぞと相手に思わせるだけでも、ストレートとフォークもより生きてくる。だいぶ自分が有利に立てるんじゃないかなと」

 佐藤「最近はカットボールなど速球系が多く、カーブを上手に投げる投手が少なくなってきている。カーブを持ち球にできれば、大きな武器になるね」

 才木「変化球でカウントを取れるボールがあと一つ、二つあればと思っているんですけど、なかなかそのあたりが難しくて。やっぱり変化球はストレートと違ってコントロールしづらいです。感覚がつかみ切れていないところがありますね」

 佐藤「たとえばカーブでいえば、大きく曲げようとするから難しい球になる。手からボールが離れた時からキャッチャーミットまでの軌道全体をイメージして投げるのは良くない。そうじゃなくてベースの上というか、バッターの手元で曲げるイメージの方がいい」

 才木「なるほど」

 佐藤「スライダーやフォークも同じ。みんな見てると、空振りを取りたいと思って投げるから、うまく投げられなかったり、ボール球にしかならない。そうじゃなく、少し曲げてバットの芯を外すイメージで十分。そっちの方がカウントも稼げるし、投げる感覚もつかみやすい」

 才木「参考にさせていただきます。自分もリリースした時からの軌道全体をイメージしていたので。変化球も真っすぐのイメージで投げて最後に少し曲がる感じですね」

 佐藤「そうそう。最初は難しいけど、練習していたら、だんだんできるようになってくると思う。それと変化球も普段からしっかりとストライクを取れるように練習しておかないといけない。相手がストレート一本で狙ってきている時にカーブやスライダー、フォークでもカウントを稼げるように。そういう球を身につけておくことはとても大切だよ」

 才木「今季は自分にとって、すごく大事なシーズンになってくると思っています。より上のレベルを目指していくためにも、ストレートだけでなく、変化球の質もしっかりと高めていきたいです」

 佐藤「シーズンの活躍を楽しみにしているからね」

 ◆才木 浩人(さいき・ひろと)1998年11月7日生まれ、24歳。兵庫県出身。189センチ、86キロ。右投げ右打ち。投手。須磨翔風から16年度ドラフト3位で阪神入団。17年10月5日・中日戦でプロ初登板(救援)。20年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け同年12月に育成契約。22年5月に支配下再登録。

 ◆佐藤 義則(さとう・よしのり)1954年9月11日生まれ、68歳。北海道出身。現役時代は右投げ右打ちの投手。函館有斗から日大を経て、76年度ドラフト1位で阪急(現オリックス)入団。95年8月26日・近鉄戦(藤井寺)で、40歳11カ月(当時最年長記録)でノーヒットノーラン達成。98年現役引退後は阪神、日本ハム、楽天などで1軍投手コーチを務めた。

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