「阪神紅白戦、白組１－０紅組」（１１日、宜野座村野球場）

　黄金ルーキーがいきなり魅せた！阪神ドラフト１位・森下翔太外野手（２２）＝中大＝が１１日、１、２軍合同の紅白戦で実戦デビュー。当初は１打席限定の予定だったが、四球だったため特例起用で２打席目に立ち“虎初安打”を放った。走塁も無難にこなし、右足肉離れの経過も順調。１２日に行われる、１軍主体の紅白戦にも出場することが決まった。

　森下がともした『Ｈランプ』に満員の虎党が万雷の拍手を送った。塁上でうっすらと笑みを浮かべ、エルボーガードを外しながらふっと息を吐く。豪快なスイングで、スラッガーの薫りを球場中に充満させた。

　「すごいお客さんも入ってて独特な雰囲気の中、自分の中ではできうる１００％のプレーができた」。当初は紅組の「９番・ＤＨ」で１打席限定での出場予定だったが、二回２死一塁で回ってきた第１打席で一度もバットを振ることなく四球。岡田監督の指示によって白組に“移籍”して打席に入った。

　三回１死で迎えた第２打席。岡留の内角１４５キロ直球を強振する。ライナー性の打球は一、二塁間で跳ねる二塁内野安打となり“虎初安打”をマーク。「ちょっとホッとする」と頬を緩めた。

　この日のスイングは２打席目での２回のみ。それでも他球団の“００７”に脅威を与えるには十分だった。ＤｅＮＡ・新沼スコアラーは「体つきがゴツいし、うちの牧と肉付きも似ている」と森下の中大の先輩で、ＷＢＣ日本代表にも選出されている牧に形容。打席で醸し出した、強打者のいでたちに舌を巻いた。

　２度の出塁時もそのまま一塁走者としてプレーを続行。スライディングも行い、１２月に発症した右足肉離れの経過も良好だ。岡田監督は「明日もＤＨで打席に立たす」と１２日の紅白戦にも１軍メンバーに交じって出場させ、２打席与えることを明言。紅組は西純が先発を予定しており、「まだちょっと、西とか当てづらいな」と途中から白組のＤＨで出場する予定だ。

　この日は不参加だった紅白戦前のシートノックでも守備に就く予定で、このまま順調に進むと、早ければ第４クールが始まる１４日から１軍に合流。１５日の練習試合・楽天戦（金武）で対外試合デビューとなりそうだ。「プレッシャーに感じすぎず、自分のできるプレーをしっかりして最善を尽くしたいと思います」と背番号１。正右翼手争い大本命の黄金スラッガーの躍進が、ついに始まる。