「ＮＰＢ　ＡＷＡＲＤＳ　２０２２　ｓｕｐｐｏｒｔｅｄ　ｂｙ　リポビタンＤ」が２５日、都内で開催された。阪神・湯浅京己投手（２３）が最優秀中継ぎのタイトルに加え、新人特別賞を受賞。岡田政権での守護神候補に挙げられている中、新人王を争った巨人・大勢から刺激を受けながら、２年連続のタイトル獲得を目指すことを誓った。

　シックなベージュのスーツが、いつも以上に大人びた姿を演出する。また一つ、手にした勲章。湯浅は、すがすがしい表情で思いを語った。

　「今まで支えていただいた方々や、いつも応援してくださっているファンの皆さまに感謝したいです」

　昨季まで１軍登板は３試合だったが、今季は主に“八回の男”として５９試合に登板し２勝３敗、４３ホールド、防御率１・０９と大躍進。４年目ながら「支配下登録されて５年以内、前年までの１軍投球回数が３０イニング以内」という資格を満たしており、新人王も期待される活躍を見せた。

　４５ホールドポイントで最優秀中継ぎのタイトルも獲得。「去年までリハビリが長くて、１年間１軍でやれて、タイトルを取れたことは自分の中で自信になります。今まででは味わえない経験になりました」と充実のシーズンを振り返る。

　それでも、１年だけでは満足しない。「またこの場に立てるよう頑張ります。任されたところでタイトルを狙っていきたい」と宣言。２年連続のタイトル獲得へ意欲を示した。

　岡田新監督からは守護神候補として名前を挙げられている。「クローザーを任されることになればセーブ王を取りたい気持ちもある」と将来的な目標を掲げたものの、「任されたところでやるだけなんで」ときっぱり。ポジションにこだわらず、チームのために腕を振る覚悟だ。

　ライバルの存在も力に変える。新人王を争った巨人・大勢とは同学年で、ともに代表メンバーに選ばれた侍ジャパンで仲を深めた。大勢は新人最多タイの３７セーブを挙げており、仮に来季、互いに抑えを任されることとなれば強敵ともなる。「来年以降、大勢とタイトル争いできたらいいなと。高め合いながら、頑張っていきたい」と共闘を誓った。

　まだ見ぬ場所へ－。「セットアッパーとか、クローザーという立場で投げたい。そのつもりでこのオフを過ごそうと思っています。球速とか球の質、変化球、投球フォーム的にも伸ばせるところはたくさんある」。幾度も壁を乗り越えてきた男に、限界はない。

　◆湯浅京己（ゆあさ・あつき）１９９９年７月１７日生まれ、２３歳。三重県出身。１８３センチ、８１キロ。右投げ右打ち。投手。聖光学院高からＢＣＬ・富山を経て、１８年度ドラフト６位で阪神入団。プロ３年目の２１年６月３日・オリックス戦（甲子園）で初登板（救援）。２２年４月６日・ＤｅＮＡ戦（甲子園）で初ホールド。最優秀中継ぎ投手１度（２２年）。