阪神・前川 来春1軍Cも 圧巻の打撃力に岡田監督抜てき示唆 両翼争いへ「面白いかも」

 「阪神秋季キャンプ」(3日、安芸)

 豪快な一発で指揮官のハートを射止めた。阪神・前川右京外野手(19)が3日、フリー打撃でバックスクリーン弾を放った。昼食中に目撃した岡田彰布監督(64)は若き大砲候補の力強いスイングに感嘆。来春1軍キャンプのメンバーに抜てきする可能性を示唆した。

 快晴の空に鮮やかな放物線を描いた。スタンドから大きな拍手が送られた豪快な一発。19歳の大砲候補が安芸の虎党を魅了した。

 「バットの出方もよかったので、伸びるかなと思ったら入りました」。フリー打撃開始から19スイング目。フルスイングした打球はグングン伸び、バックスクリーンに飛び込んだ。計95スイングで7本の柵越えを記録。引っ張るだけでなく、広角に痛烈な打球を放ち続けた。

 昼食中に圧巻の一発を目にした指揮官は、「パンチ力がある」と舌を巻いた。特に絶賛したのは逆方向となる左への打球。「バットが素直に出て、その割に飛距離が出る」と目を細めた。右翼から左翼方向に浜風が吹く甲子園では、さらに風に乗って打球が伸びるだけに楽しみは広がる。

 偉大なスラッガーの姿が重なる。現役時代に岡田監督とともにクリーンアップを務めた掛布雅之氏(67)は逆方向に強くはじき返す打撃を持ち味とし、浜風をうまく利用して本塁打を量産。高卒2年目で早くも11本塁打を放った。そんな掛布氏をほうふつさせる前川の打力。自身も「逆方向を意識して、いい感じに振れている」と手応えを口にした。

 個別練習では、水口打撃コーチのマンツーマン指導でティー打撃を実施。下半身主導の打撃を身につけることをテーマに約8分間、バットを振り込んだ。「軸足(左足)側の前から後ろが全部痛い」と苦悶(くもん)の表情。それでも、「いい練習ができている」と充実感を漂わせた。

 現在は両翼のレギュラーは白紙の状態。右打者が補強ポイントだが、指揮官は「打ったら左(打者)でもええよ」と、結果を残せば左右関係なしに起用する方針。来春キャンプは1、2軍共に沖縄で実施することも踏まえた上で、「1軍レベルの左バッターと一緒にやらしてみても面白いかもしらんなぁ」と1軍スタートさせる可能性を示唆した。

 「来季(1軍で)勝負できるように体力、技術をレベルアップさせたい」と背番号58。高卒2年目にしてレギュラーの座をつかむべく、進化の秋を過ごす。

 ◆前川 右京(まえがわ・うきょう)2003年5月18日生まれ、19歳。三重県出身。176センチ、88キロ。左投げ左打ち。外野手。智弁学園から2021年度ドラフト4位で阪神入団。1軍出場なし。22年はウエスタンで21試合に出場し打率.250、3本塁打、7打点。同年ファーム日本選手権では球団新人史上初となる同選手権での本塁打を記録した。

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