阪神・矢野監督 甲子園で日本S宣言 〝全員野球〟で総力ドロー、CSも粘りの野球

ファンの矢野コールに、矢野監督はガッツポーズで応える(撮影・山口登)
整列してシーズン終了のあいさつをする阪神ナイン
矢野監督にメッセージを送るライトスタンドの阪神ファン
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 「阪神3-3ヤクルト」(2日、甲子園球場)

 阪神がレギュラーシーズン最終戦で執念を見せた。敗戦目前の九回に2点差を追い付き、今季限りで退任する矢野燿大監督(53)はベンチ入りメンバーの26人全員を使い切って引き分けへ持ちこんだ。8日からはCSファーストS・DeNA戦(横浜)。指揮官は試合後のセレモニーで、日本シリーズで再び甲子園に帰ってくることを約束した。

 試合後のセレモニーを終え、ベンチに入りかけた矢野監督が、もう一度体の向きを変えてスタンドに手を振った。場内に響きわたる“矢野コール”。「あれだけコールしてもらえるとね、黙って帰るわけにはいかない」。最後は渾身(こんしん)の“矢野ガッツ”を決め、笑顔でひとつの区切りを打った。

 甲子園で迎えたレギュラーシーズン最終戦。落胆と歓喜を繰り返したシーズン同様、実に感情の振れ幅が大きい試合展開となった。

 序盤から得点の気配のない打線。一方で自慢の投手陣は、スコアボードに0を並べていく。1点リードの九回には、ケラーがまさかの3失点。同じヤクルト相手に7点差をひっくり返された、あの悪夢の開幕戦を想起させる炎上ぶりを見せる。

 それでも負けなかった。九回、Vチームの守護神・マクガフから梅野が、そして2死からは矢野監督の現役時代の背番号『39』を背負う栄枝が、プロ初打席で適時打を放ち、同点に追いつく。

 九回終了時点で野手を使い切り、投手も延長十回から登板した才木しか残っていなかった。

 「ドキドキしたね。最後の試合が没収試合になったらどうしようって(笑)。それでも積極的に行くところは行くんだと、腹をくくっていった。よく粘ってくれた。チームの成長を感じた」

 監督就任後、初めてベンチ入り選手を使い切る、まさに執念の采配。消化試合で近本、大山ら主力陣が早々に交代する中で、誰一人諦めることなく戦ったことが、何よりうれしかった。

 チームの成長を見せつける、頂点を狙う戦いはまだ残っている。再び甲子園で指揮を執るためには、CSを勝ち上がり、日本シリーズで戻ってくるしかない。

 「監督に就任してから、ずっと夢と理想を語ってきました。この大好きな選手たち、そして、満員の甲子園で日本シリーズができることを思い描き、横浜、神宮と僕たちの野球にまた挑戦していきます」

 スピーチで誓った。下克上を決めて、必ず聖地に帰ってくる。そして今度は勝利で終える。矢野監督は、最後の最後まで夢と理想を追い続ける。

 ◆没収試合 公認野球規則では、一方のチーム9人がそれぞれの守備位置に就くことができなくなれば、その試合は没収試合となり、相手チームの勝利となる。その場合、すべての記録は公式記録に算出されない。この試合が没収試合となっていれば、湯浅のホールドポイントは計上されない可能性があった。

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