阪神・藤浪 快投9Kも悪送球に泣き5敗目

 6回、失策からヤクルトに先制を許し、悔しさをにじませる藤浪(撮影・飯室逸平)
 6回、山崎の打球を処理した藤浪の送球が大きく逸れ、ヤクルトに先制を許す(撮影・飯室逸平)
 6回、藤浪の悪送球で出塁する山崎(撮影・田中太一)
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 「阪神0-1ヤクルト」(18日、甲子園球場)

 レギュラーシーズンラスト先発となった藤浪晋太郎投手(28)は6回1失点、9奪三振の力投を見せたが、5敗目を喫した。六回に自らバント処理したボールを一塁へ悪送球して失点。悔やまれるワンプレーとなった。残り試合は中継ぎでスタンバイする見込み。チームのCS進出のために全力を尽くす。

 あぁ、もったいない…。藤浪が甲子園に駆けつけた4万2614人の虎党のため息に包まれた。遊撃・中野の送球ミスで招いた無死二塁。山崎の投前へのバントを一塁に悪送球し、二塁走者の生還を許した。先制点を与える痛恨の適時失策。その後の2死満塁は切り抜けるも、唇をかんでベンチへと戻った。

 「勝てる投手になるには、六回のバント処理のような細かいミスをなくしていく必要がある」。今季5敗目を喫した、6回2安打1失点と申し分ない結果だっただけに、あの1プレーが悔やまれる。

 プレーボール直後から圧巻だった。初回先頭・塩見を145キロフォークで空振り三振。続く山崎、山田も直球とフォークで3者連続空振り三振に仕留めた。最高の立ち上がりで快投の予感を漂わせた。五回まで8三振を奪い、許した安打はわずか1本。右腕の奪三振ショーに虎党は酔いしれた。

 剛腕VS怪物にも球場のボルテージは高まった。王貞治に並ぶ歴代日本選手最多タイのシーズン55本塁打を記録している村上との対戦。二回先頭の1打席目は7球中6球で直球を投げ込む真っ向勝負。7球目を痛烈にはじき返されたが、佐藤輝のジャンピングキャッチにも助けられて右飛に打ち取った。

 四回1死の2打席目は一転、全4球で変化球を選択して左飛に。勢いに乗る怪物を黙らせた。ただ、先制を許した後の六回1死二塁で矢野監督は申告敬遠を選択。場内にブーイングも起こった。それほど2人の対決は聖地を魅了していた。

 この日最速は157キロをマークして毎回の9奪三振。今季最後の先発で7度目のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)を記録し、「ピッチングの内容自体はよかった」と好感触だ。矢野監督も「ピッチング自体は空振りもしっかり取れて、ボールも良かった」と称賛した。

 今後はレギュラーシーズン終了まで中継ぎに回る見込みだが、CS進出となれば再び先発機会のチャンスもある。状態の良さをキープしている剛腕。残り6試合もチームの勝利のために腕を振る。

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