「ウエスタン、阪神３－８ソフトバンク」（１７日、鳴尾浜球場）

　阪神・前川右京外野手（１９）が快音を奏でた瞬間、白球はあっという間に左中間フェンスを越えた。高卒１年目とは思えない、迫力満点のフルスイングでかけたアーチ。貫禄を漂わせ、悠々とダイヤモンドを回った。

　「外のコースだけをを張っていってうまく打てた」。初回２死。田上の外角直球を体の前でしばき、ライナー性の打球で今季３号ソロを放った。１６日・ソフトバンク戦（鳴尾浜）でも九回に右中間ソロを放ち、プロ入り後初の２試合連続アーチを記録。上半身のコンディショニング不良から約３カ月ぶりに実戦復帰した、１３日の練習試合・ソフトバンク３軍戦（鳴尾浜）でも右越え２ランを放っており、直近４試合で３本塁打の暴れっぷりだ。

　故障明けから、軸足に長く体重を乗せる打撃フォームを徹底。いわゆる〝割れ〟を長く作ったことで、ボールが見えやすくなった。「（フォームに）数ミリのズレがある」と細かい打席の振り返りも可能に。「１球ずつ自分で理解できているのは一歩成長」と手応えを実感した。

　チームはこの日２位・ソフトバンクに敗れたが、１８日の直接対決が台風１４号の影響で中止となり優勝マジック６が点灯。ウエスタン連覇は最短で２５日に決まる。「今日負けた悔しさを持って」と平田２軍監督。絶好調の和製大砲候補がチームを頂へと導く。

　◆ウエスタン優勝マジック６点灯　阪神は２位・ソフトバンクに敗れたが、１８日の同戦の中止が決まり、優勝マジック６が点灯。残り直接対決が１試合減って３試合となり、阪神がソフトバンク戦以外の６試合に全勝すれば６８勝３９敗３分けで勝率・６３６、ソフトバンクが阪神戦を含む残り９試合に全勝しても６９勝４０敗６分け、勝率・６３３で上回らないため。阪神は最短で試合のない２５日に、ソフトバンクが広島に敗れれば優勝となる。