阪神・佐藤輝6番降格に燃えた猛打賞 魅せた気迫ヘッスラ生還 CS進出へ復調せよ

4回、坂本のスクイズで生還する佐藤輝(撮影・田中太一)
 4回、右前タイムリーを放つ佐藤輝(撮影・飯室逸平)
 6回、佐藤輝は中越えに三塁打を放ち、三塁にスライディングする(撮影・山口登)
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 「阪神6-8ヤクルト」(6日、甲子園球場)

 降格に燃えた。阪神・佐藤輝明内野手(23)が今季7度目の猛打賞。打順を4番から6番に下げられた一戦で安打を連ねたが、2点を追った延長十一回無死一、二塁で打ってこそ本物と呼べる。5時間17分の熱戦を落として3連敗。CS出場に向けた残り15試合の重みはどんどん増してくるが、テルの復調なくして明日は語れない。

 6番に打順が下がっても、やるべきことは変わらない。チームが苦杯をなめさせられてきた石川に対し、佐藤輝は静かに闘志を燃やしていた。集中力を研ぎ澄ました一振りから奏でられた3度の快音。雨音を切り裂き、甲子園に響いた。

 8月17日・ヤクルト戦(神宮)以来となる6番起用だったが、チャンスで燃えた。1点を追う四回1死一、二塁で迎えた第2打席。カウント1-1から石川が投じた130キロシュートを強振する。痛烈な打球は一、二塁間を破り、同点の右前適時打としてみせた。

 「打線がつながってできたチャンスでしたし、なんとかまずは同点にという思いでした。1スイングでしっかり仕留めることができて良かったです」

 打った後は、好走塁だ。1点リードとなり、なおも1死一、三塁から坂本がスクイズを敢行。三走の佐藤輝は頭から本塁に突っ込み、背中側が泥まみれになりながらもホームイン。2点を追う六回1死では左腕が初球に投じた132キロ直球を仕留め、中越えの三塁打とチャンスを演出だ。

 三塁打は今季8本目で、中日・岡林と並んでリーグトップタイ。昨季、1本も三塁打がなかった佐藤輝だが、今季は自慢の快足を飛ばしてスリーベースを量産中。二塁打もリーグトップの31本。走れる長距離砲として、2年目の進化を示す。

 同点の七回2死一塁でも石山から右前打を放ち、今季7度目の猛打賞と結果を残したが、2点を追う延長十一回無死一、二塁で田口から空振り三振。一発出れば逆転サヨナラの絶好機で凡退し、悔しげな表情を浮かべた。

 矢野監督は、佐藤輝の打撃について「(打撃は)良くはないよね、もちろん。いい時の輝ではないかなと思う」と言及し、今後のさらなる爆発力を求めている。

 5時間17分の死闘の末、チームは敗戦。4位・広島が中日に勝利し、ゲーム差「1」に迫られた。し烈なCS進出争い。Aクラス入りするためにも、佐藤輝の勝利の一打が不可欠だ。残り15試合。チーム浮上へ、必ず一振りで流れを変える。

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