阪神・才木“プロ初完封” 雨でラッキー6回9K4勝目 「次は9回投げきって0で」
「阪神8-0広島」(1日、甲子園球場)
圧巻の投球だった。阪神の才木浩人投手(23)が6回3安打無失点で自己最多タイの9三振を奪取。六回途中降雨コールドゲームとなり、今季4勝目をプロ初完封で飾った。チームは今季限りで退任する矢野監督がシーズンで指揮を執る最終月の初戦を白星で飾り、3連勝で勝率5割復帰。CSを争う広島に今季初の3タテで、ラストスパートへ弾みをつけた。
地面にたたき付ける雨。降雨コールドゲームが決まると、才木は大きな背中を少しかがめながら、ベンチから姿を現した。思わぬ形で手にした“プロ初完封勝利”。土砂降りの中、最後までエールを送ってくれた虎党に、ナインとともに感謝を示した。
「完封という記録がついたことはいいことかなと思いますし。こうやって試合を作れているというのは、自分の中で自信にしていいかなと思います」
ピンチのたびに、成長を示した。五回以外は毎回走者を背負う展開。それでも、球を前に飛ばさせはしない。自己最多タイとなる9三振を奪い、6回無失点。5試合連続のクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)で4勝目を挙げた。
初回先頭・野間を134キロフォークで空振り三振に斬ると、奪三振ショーの幕開けだ。その後、2死二塁としたが、西川を内角高め直球で空振り三振に。三回にも2死一、二塁とされたが、フォークでまたも西川を空振り三振に仕留めた。
3-0と援護をもらった六回は、対戦を心待ちにしていた先頭・秋山に中前打を浴び「ちょっと悔しい」と苦笑い。それでも、続く西川の初球には「安直に真っすぐで行くより変化つけて」と外角低めフォークを投じ、一ゴロ併殺に仕留めてピンチの芽を摘んだ。
トミー・ジョン手術から約1年がたった昨オフは、12月でもブルペン入りし、150キロに迫る直球を次々と投げ込んだ。カーブなど変化球も交え、徐々につかんでいった再起への手応え。だが、「フォークの調子が悪いんよ」とウイニングショットの感覚だけは、なかなか元に戻らなかった。
もどかしい日々を乗り越え、この日奪った9三振中6三振がフォークによるもの。「自分のピッチングスタイル的にはすごく楽に投げられましたね」と右腕。また一歩、完全復活に近づいた。
努力の男に、天はささやかなご褒美を与えた。降雨コールド勝利でチームは勝率5割に復帰。「次、完封取る時は9回投げきって0で終われるように」。完全体の才木は、こんなもんじゃない。
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