【狩野恵輔氏の眼】“サブ組”が示した可能性 阪神らしい奇襲&足攻で理想的な攻撃

 「広島0-3阪神」(19日、マツダスタジアム)

 阪神がマツダスタジアムで今季初勝利を挙げ、3位タイに浮上した。デイリースポーツ評論家の狩野恵輔氏は「最もいい雰囲気」と選手層の厚みを指摘した。

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 タイガースらしい野球だった。奇襲や走塁など機動力を生かした得点。その中で大きいのは、普段はベンチスタートのメンバーが期待に応えたことだ。Aクラス争いをしている今、タイガースが最もいい雰囲気で野球ができている。

 先発野手に並んだ右打者が機能していた。先制した二回は北條の四球、陽川の右前打があったからこそ梅野の先制打へつながった。三回は熊谷のバスターエンドランで好機を広げた。一走・中野が三塁まで進塁した走塁も価値が大きい。

 さらに中野は、近本の投ゴロで本塁へ返ってきた。『当たりゴー』で走力を生かした攻撃。『これがタイガース』と言える効率的な得点だった。

 ベンチに応えようとする姿勢が伝わってくる。六回は北條がタイムリー。レギュラーではない選手たちが期待に応えており、これなら相手先発投手の左右を考慮した先発オーダーも組みやすい。野手陣の層も厚いことを示すゲームだった。

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