阪神・近本 200安打へ理想の打撃探究 オフに「三遊間へ強く打ち返す」鍛錬の理由

 200安打へ試行錯誤する近本
 200安打へ試行錯誤する近本
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 史上8人目のシーズン200安打を目指す阪神・近本光司外野手(27)は、三遊間を強烈な打球で破る打撃を理想に掲げるなど、逆方向へ強く打ち返すスイングに取り組んできた。アマチュア時代から近本のサポートを続ける「MTX ACADEMY」の木村匡宏チーフトレーナー(43)が明かした。今季は引っ張った打球が減少し、中堅から左への打球が増加。オフの取り組みが数字に表れてきた。

  ◇  ◇

 春季キャンプ中、近本は「最近、内野安打が少なくなっているんです」と口にした。1年目の19年は33本、2年目は26本、昨季は23本。安打数に占める内野安打の割合はルーキーイヤーから約21%、約19%、約13%と下がり続けている。

 走力が落ちたわけではない。打球傾向を分析した相手チーム、特に巨人と中日が近本の打席時には三遊間を中心に前進守備シフトを敷かせているためだ。

 昨年12月下旬の淡路島での自主トレにも同行した木村氏は「少し(体から)離れたボールに対応していく体の使い方と、しっかり自分のスイングでボールを振り抜いていくという2つのことを、体の使い方とリンクさせて調整しました」と今オフの取り組みの一端を説明。外の球を逆方向へ鋭くはじき返すための鍛錬を重ねた。

 ちょこんと合わせたような流し打ちではなく、木村氏によれば「サードとショートが一歩も動けないような打球を打ちたい」と語っていたという。安定して力強い打球を放てば、内野安打対策のシフトを破ることができる。それに加え、単純に「こういうのをやってみたいという楽しみの一つ」と遊び心を持って取り組んできた。

 開幕後は理想だけを求めるわけにはいかず、逆方向の意識は持っていないという近本。ただ、昨季は凡退を含む全打球の41%が右方向であるのに対し、今季は37%と引っ張った打球が減少している。

 昨季は178安打で最多安打のタイトルを獲得。近本と木村氏はシーズン200安打達成へ、残り22本をどうやって増やすかという課題に対して、さまざまな角度から柔軟にアプローチしている。「とにかくミスショット、打ち損じを減らしていきたい」というのが2人の共通認識で、今年はここまで「振り過ぎない」ことなどにもチャレンジしてきた。

 今季は41試合で45安打をマーク。残り102試合で155安打と厳しいペースだが、毎年、尻上がりという特徴もある。大きな目標に向かって、近本が挑戦を続ける。(デイリースポーツ・山本航己)

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