【藤田平氏の眼】矢野采配に疑問 “見切り発車スタメン”で阪神完敗 「輝サード、北條より陽川」

 9回、右飛に倒れる佐藤輝(撮影・飯室逸平)
 歓喜の広島ナインを横目に引き揚げる大山
 ベンチで戦況を見つめる矢野監督(左)
3枚

 「阪神0-3広島」(10日、甲子園球場)

 阪神が球団史上最速でシーズン10度目の零封負けを喫した。デイリースポーツ評論家・藤田平氏(74)は、右足コンディション不良で2軍調整していたマルテらが1軍復帰した中、佐藤輝を三塁、この日1軍昇格した陽川を右翼で先発起用することを提唱。“見切り発車”のオーダーではなく、選手の状態などを見極める必要性を説いた。

  ◇  ◇

 状態の見極め、相手投手に対してどの打者が攻略するのに最適かの見極めができていない。この日1軍復帰したマルテや、左肩手術を経て4月末に2軍で実戦復帰した北條が先発したが、そろって無安打に終わった。

 この日は三塁で北條を起用した。だが、実戦復帰後はウエスタン6試合で打率・200という状態や、昇格後は1試合も出場していない状況を踏まえても、この日1軍に昇格した陽川を右翼、それに伴い佐藤輝を三塁で先発させてよかった。

 マルテも5番や6番といった後ろの打順から調子を上げさせた方がいい。これまでの実績から3番での復帰を決断したと思うが、スイングを見る限り、本来のキレが見られない。本調子にしてから3番に戻すべきだ。

 試合の中でも、まず考えなければいけないことは、相手の嫌がることをすること。この日で言えば、広島先発・床田にプレッシャーをかけて降板させることだ。六回に代打で出場した陽川は床田から左前打を放った。バットは振れていた。タイガース打線の中で最も内容のある打撃を見せていた。

 ところが、ベンチは陽川が安打を放った後、代走を送っていなかったのに、七回の守備から交代させてしまった。もう一度、打席が回ってくることを考えれば、出場させ続けるべきだ。

 チーム全体で言うと今季10度目の完封負け。広島には1勝もできておらず、床田に今季2敗目となった。この日の先発野手は5人の右打者が並んだ。

 必ずしも左打者が左投手を苦にするとは限らない。大切なのは、その日の練習などから、コーチ陣が、どの打者が対戦投手の攻略に適しているかを見極めてあげることだ。

 今のチーム状況もあるのだろう。それにしても、ベンチからあまりいいムードが感じられない。打線がつながらないのなら、もっと何かを仕掛けようという姿勢が欲しい。セーフティーバントの構えだけでも違う。ただ振っているだけ、ただ打ちにいっているだけでは得点できない。奮起を期待している。

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