阪神・ウィルカーソン来日初星 聖地G戦初登板初先発では虎史上初 多彩変化球で6回1失点

 お立ち台で笑顔を見せる(左から)ウィルカーソン、大山、湯浅(撮影・高部洋祐)
 1回、岡本和(手前)を左飛に打ち取る先発のウィルカーソン(撮影・田中太一)
 先発し、投げ込むウィルカーソン(撮影・田中太一)
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 「阪神2-1巨人」(16日、甲子園球場)

 今季最多4万人超えの観衆が、ほれぼれだ。阪神・ウィルカーソンは、岩崎から受け取ったウイニングボールをしっかりと握り締め、上着の左ポケットにしまった。

 「すごくうれしいです。最初の回、ワクワクと緊張で少し乱れてしまいましたが、その後は落ち着いて投げることができました」

 本人が振り返ったように、初回はヒヤヒヤ発進だった。先頭・吉川に右前打を浴びると、自身のけん制悪送球や四球などで1死一、二塁。それでも、4番・岡本和をチェンジアップで左飛、続く丸を右飛に仕留めた。

 ピンチをゼロで切り抜け、徐々にリズムに乗った。二回から四回は走者を許さず。六回1死一、三塁で岡本和に左前適時打を浴びたが、6回1失点と役目を果たした。甲子園の巨人戦での、来日初登板初先発初勝利は、球団史上初の快挙となった。

 リベンジにも成功だ。巨人・ポランコはブルワーズ時代に対戦して本塁打を浴びたことがある。この日は1安打1三振1四球。「三振を取ることはできましたし、ヒットも打たれたんですけど、ホームランを打たれずに球場の中に収めることができて、これが自分にとっての勝利かな」とおちゃめに笑った。

 多彩な球種全てで勝負できることが持ち味。矢野監督は「(自分が)キャッチャーやっていて、おもしろいピッチャー」と評し、「ここからタイガースの大きな力になってくれるなと思う」とさらなる期待を寄せた。

 大学時代にはトミー・ジョン手術を受け、野球から離れた2年間は食品会社の冷凍部門で働いた経験もある苦労人。「トラブルのない人生はない。紆余(うよ)曲折があって、努力して努力して、こうやって日本で投げられることは、すごい恵まれている」。お立ち台では「アイシテル」とあいさつし、虎党の心をわしづかみ。ニューヒーローが、最高のスタートを切った。

【アラカルト】

 ◆生まれ 1989年5月24日、米テキサス州出身

 ◆サイズ 191センチ、95キロ

 ◆球歴 カンバーランド大から独立リーグを経て、14年途中にレッドソックスとマイナー契約。ブルワーズ時代の17年にメジャー初勝利。メジャー通算成績は1勝1敗。

 ◆年俸 1年契約の推定65万ドル(約7280万円)。

 ◆苦労人 大学4年時にはリーグ戦で54イニング連続無失点の米大学記録を樹立するも、その後にトミー・ジョン手術。野球から離れた2年間は食品会社の冷凍部門で働いて生計を立てていた。

 ◆家族 ハンナ夫人、長女・エヴァちゃん(4)、長男・ボウディ君(3)に次男・ミア君(1)。夫人の育児負担を考慮し、ミア君はアメリカの祖母宅で生活している。

 ◆愛称 フリーザー(冷凍工場勤務から)、ウィルク

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