阪神・青柳「やっぱ最高っすね!」8回1失点で“快幕”星 今季初登板で菅野に投げ勝った
「阪神4-1巨人」(15日、甲子園球場)
やまない雨はない。流れを変えたのは、やはりこの男だ。「やっぱ、最高っすね!」。虎党で埋まった聖地を見渡し、阪神・青柳晃洋投手(28)は喜びをかみしめた。
「自分自身、開幕が遅れてしまって申し訳ない気持ちがあったんですけど、チームがこういう状況なので、とりあえず気持ちで投げようと思って。流れを持ってこられるピッチングができたらなと思って、頑張りました」
開幕投手に内定していたものの、新型コロナウイルス感染で離脱。チームはその間17試合で1勝と重苦しい雰囲気が漂っていた。空気をガラリと変える8回1失点。今季初登板で初勝利を挙げた。
ピンチからのスタートだった。初回、先頭・吉川尚に中前打を許すなど2死三塁とされると、4番・坂本に右前適時打を浴びて、先制点を献上。前日まで52イニング適時打なしの打線を思うと…。なんて考えは、右腕には関係なかった。
以降は、3併殺を奪うなど持ち前の打たせて取る投球。チームが逆転した直後、2-1の六回に迎えた1死一、二塁のピンチでは、先制打を浴びた坂本をこの日初めて投じたカーブで中飛に。続く丸を遊ゴロに打ち取ると、雄叫びを上げた。
登板前日。奥さんが作ってくれる夕食は、決まってパスタだ。これは、アスリートが競技中に必要なエネルギーを蓄えるためのカーボローディングという食事法に基づく。青柳の場合は1週間単位で実践。登板翌日をゼロとすると、試合へ向けて徐々に炭水化物の量を増やす方法で取り入れている。「球団の栄養士から聞いて、奥さんにお願いして。試合前日に米2合とか食べられないじゃないですか。それでパスタを、僕の分だけ2人前とか2・5人前とか。味は毎回違います」。愛のこもったルーティンが、右腕を支えている。
矢野監督も目を細める。「初登板で、出遅れたってところで、気持ちをコントロールしながらというのは簡単じゃない。中身も、チームを引っ張っていこうという気持ちも両方あった最高の投球でした」。試合後は「すごくホッとしてますね」と胸をなで下ろした右腕。ここからが虎の“快幕”だ。
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