【藤田平氏の眼】阪神 勝てる試合で見せたスキ

 「阪神1-6DeNA」(6日、甲子園球場)

 阪神は失点を防ぐ形、得点を奪う形を取れていない。敗因は守備、走塁で露呈した“スキ”だ。まずは先発・伊藤将の完封勝利が見えてきた九回無死一塁で楠本に捕犠打を許した場面。送りバントを許す直前、伊藤将が投じた2球目を捕手・坂本は左膝をつきながら捕球しようとした。

 バントの構えを見せたのだから、打球処理のため腰は上げておかないといけない。まして一走・桑原は一塁に戻りかけてから二塁へ走りだしスタートが遅れていた。基本通りの守備なら二塁を刺せたタイミングだ。

 ところが坂本の動作が遅れ二進を許し、同点へ追い付かれる流れを作った。走塁面は六回の糸井。四球で出塁し二塁へ進んだ後、大山の三塁内野安打で三進できなかった。守備も走塁も細かいプレーを怠ってはいけない。

 収穫は湯浅。一方で延長十二回は頭から桐敷で良かった。連敗の反省が生かされていないと言われても仕方ない継投だ。この敗戦は尾を引きかねない。

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