【中田良弘氏の眼】阪神若手救援陣を捕手が導け リードがカギ 勝ちパターンの確立を

 27日のヤクルト戦で斎藤(左)に声をかける梅野=京セラ
 マウンドの小川(左)に声をかける坂本=26日、京セラ
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 虎はどうやって浮上すべきか-。球団史上初めてホームで開幕3連敗を喫してしまった矢野阪神。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏が現状の打開策を語った。中田氏は若いリリーフ陣を捕手が引っ張っていくべきと語り、抑え投手にセーブがつくゲームが好転するきっかけになると分析した。

  ◇  ◇

 ヤクルトとの開幕3連戦をチェックしていて、リリーフ陣の不安が露呈した。ただ斎藤や湯浅、小野ら若手投手陣は素晴らしいボールを投げていたという印象を持った。

 救援投手として、150キロを投げられないとなれば非常に厳しいが、彼らはそれだけの球威を持っている。そこで気になったのが“攻めきれなかった”ということだ。勝負どころでどうしても慎重になってしまう。ヤクルトの山田、村上、サンタナら実績のあるバッターに対して、コーナーを意識しすぎてカウントを苦しくしたり、変化球でかわそうとしている様子があった。

 彼らはまだ経験も少ない。だからこそ梅野、坂本と経験のある捕手陣が引っ張ってほしかった。キャッチャーが慎重になってしまえば、ピッチャーも慎重になってしまう。まだ1軍で場数を踏んでいない若手投手に対しては、なるべく捕手が引っ張ってあげるのがベストだ。

 少々、制球が乱れても1イニングであればボールの強さを最大限に引き出すことで活路を見いだせることもある。今、若手のリリーフ陣はほぼ全員がいいストレートを持っている。勝負どころで引いてしまうと彼らの魅力は半減してしまう。だからこそキャッチャーが引っ張って、彼らの良さを存分に引き出してほしいと思っている。

 開幕3連敗スタートとなったが、きちんと“形”を作って1勝することが先決と考える。ケラーが今後も守護神を務めるか定かではないが、誰かがセーブを挙げることでリリーフ陣もチームも落ち着くと思う。

 現状、勝ちパターンがハッキリと見えないことも、チームに与える影響は大きい。いかに自分たちの形でゲームを制することができるか。そこが立て直す上での大きなポイントになるだろう。

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