阪神・青柳 進化で魅せた 三回まで未完の変化球で0封 全球種解禁の四回は9球で三者凡退

 1回、力投する先発の青柳(撮影・飯室逸平)
 2回、笑顔でナインを迎える青柳(右)
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 「オープン戦、阪神1-2楽天」(4日、甲子園球場)

 2022年の阪神・青柳晃洋投手は昨年と違う。進化のために必要な変身。今年初の甲子園で、そして虎党の前で描いていた投球を体現した。4回2安打無失点でマウンドを降りた後、先発した開幕投手最有力候補は思わず本音を漏らした。

 「僕自身、まだ言われていないので、なんとも言えないですけど。このまま金曜日で回ったらそうなるとは思っているので。ずっとシーズンオフから準備してきたことなので、いつ言われてもいいように準備しています」

 3週間後がヤクルトとの開幕戦。もう背番号50で決まりなのでは…。期待は高まったが、試合後の矢野監督は「順調じゃないの」と褒めるだけで、大役任命を明言しなかった。

 それでも、開幕投手に最も近い位置にいる事実は変わらない。コンビを組んだ梅野と試合前に話し合い、この日も自信のあるスライダーとツーシームを三回まで封印。当初は二回までの予定だったが、課題のシンカーがストライクゾーンに決まり出したことを受け、制限投球を延長した。

 昨年はスライダーとツーシームを軸に大躍進。最多勝と最高勝率のタイトルを獲得した。だが、右腕に慢心はない。さらなる飛躍を目指す上で「去年のままでは勝てないと思っているので。変わりたいっていうところでいろんな挑戦をしていますね」と信念を貫く。

 制限投球の中では未完成な部分が多いシンカー、カーブ、カットボールの3球種を積極的に投じた。三回2死満塁のピンチで島内を投ゴロに抑えたカットボールは、内角狙いが甘く入ってしまった失投。今後の課題として前向きに受け止めた。

 「甲子園の方が気合が入りますし、やっぱり始まるなって気がしましたね」。全球種を解禁した四回は9球で三者凡退と貫禄も示し、自身初の開幕投手に向けて大前進した。

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