「練習試合、阪神２－６日本ハム」（８日、宜野座村野球場）

　新庄ビッグボス襲来に沸く宜野座で、４番起用された阪神・佐藤輝明内野手（２２）が巧みな打撃でファンの視線を奪った。２０２２年第１号をマークした５日の紅白戦に続くマルチ安打。特に成長を感じさせたのは、初回の第１打席だ。

　３点を追う２死三塁の好機で打席へ。３年目右腕の立野と相対した。初球、高めのボール球を平然と見送り、２球目の１２２キロカーブに崩されることなく反応。打球はライナーで三遊間をきれいに破り、左前へ。勝負強さを発揮した。

　一塁側のプレハブ小屋で見ていた新庄ビッグボスに「ナイスバッティング」と声をかけられたが「全然聞こえなかった」と苦笑い。打席では直球を待っていたが「フォームがしっかりしていたから打てたんじゃないか」と自己分析する。

　先乗り自主トレからキャンプ２日目までは、バットを寝かせて耳の高さに置く新たな構え方に挑戦していたが、藤井康１、２軍巡回打撃コーチに指摘を受け修正。ヘルメット付近でバットを立てる構えに変え「自分のスイングができている」。矢野監督も「真っすぐしか狙っていない中、反応でレフト前に打っている」と“変わり身”にニンマリだ。

　新庄ビッグボスも同シーンについて言及。「１打席目の佐藤くんの三遊間、素晴らしい。ああいうバッティングができる子だし、続けていってほしい」と敵将をうならせた。軌道に乗った佐藤輝は、三回にも谷川のシュートを右翼線へ運ぶ二塁打を放つなど絶好調。途中から入った三塁守備では、八回に高浜のライナーを好捕するシーンも見られた。

　５日の紅白戦の藤浪から放った左越えソロ、そしてこの日の左前適時打と逆方向への強い当たりが増え「打てるフォームに近づいているんじゃないか」と自信を見せる佐藤輝。南国の地で日々、確かな成長を遂げている。