阪神・佐藤輝、死中に活打!奇跡へ希望の一撃 2カ月ぶり長打で先制V犠飛呼んだ

 3回、二塁打を放つ佐藤輝
 3回、坂本(左)の先制中犠飛で生還し、笑顔でタッチを交わす佐藤輝(撮影・立川洋一郎)
 20年10月18日、近大・佐藤は記録更新となる3ランを放つ
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 「阪神2-1広島」(18日、甲子園球場)

 希望をつないだ一振りだ。4試合ぶりのスタメンとなった阪神・佐藤輝明内野手(22)が、勝利への突破口を開いた。両軍無得点の三回に、先頭から右中間を破る強烈な一撃。一気に三塁に進むと(記録は二塁打と失策)、続く坂本の犠飛で先制のホームを踏んだ。2カ月ぶりの長打であり、甲子園では7月14日以来の安打で弾みをつけ、19日からはヤクルトとの2連戦。奇跡の大逆転Vへ、勝利だけを目指して戦う。

 甲高い打球音とともに弾丸ライナーが右中間に伸びる。佐藤輝は1万4787人の視線を一身に受け、大きな体を揺らしながら三塁まで激走した(記録は二塁打と右翼の失策)。0-0の三回。先頭で九里のスライダーをフルスイングで打ち砕き、突破口を開いた。

 「めちゃくちゃ久しぶりだったので、うれしかったです」。打線は初回、二回と三者凡退。広島・九里に支配されていたが、4試合ぶりのスタメンに応えたチーム初安打で、甲子園の空気は一変した。続く坂本が先制の中犠飛。ホームに生還したルーキーは、笑顔でベンチに戻った。

 長打は、本塁打を放った8月19日・DeNA戦(東京ドーム)以来、甲子園での安打は7月14日以来のこと。四回2死満塁では空振り三振だったが「今日は良いスイングができたと思いますし、状態は良いと思う」と感触は悪くない。矢野監督は「何かきっかけをつかんでほしいと思っている」と願った。

 昨年の10月18日は…偉業を達成した記念日だった。関西学生野球の関大戦(ほっと神戸)で、同点の延長十一回無死一、二塁から右翼席へ決勝3ラン。近大の先輩・二岡智宏(巨人2軍監督代行)を抜き、リーグ新記録となる通算14本目の本塁打を記録した。

 それから1週間後のドラフト会議。矢野監督が4球団競合の末に強運で引き当て、運命の糸に導かれる形で阪神に入団した。開幕から規格外のパワーでチームの原動力になっていたが、後半戦に入ると59打席連続無安打を記録するなど大失速。天国も地獄も味わったルーキーイヤーは今、大詰めを迎えている。

 「残り少ないですけど1試合1試合、1打席1打席に集中して。目の前の試合をしっかり戦い抜くという気持ちでやっていきます」

 七回無死一、二塁では代打を送られベンチに下がったが、気持ちは次に向いている。19日から首位・ヤクルトと2連戦。「暑さから解放されて全てが楽しくなるというか。良い季節になる気がします。(秋は)好きです」。残暑が終わり、聖地には心地よい秋風が吹く。怪物が目覚めれば、奇跡への扉は開く。

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