阪神・伊藤将、9勝 球団新人左腕、江夏以来54年ぶり 打球直撃も動じず

 7回、坂倉の打球が伊藤将を直撃する
 力投する伊藤将
 7回、坂倉将吾の打球が伊藤将に直撃
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 「阪神2-1広島」(18日、甲子園球場)

 スアレスからウイニングボールを受け取ると、笑みがこぼれた。阪神・伊藤将司投手が7回4安打無失点で9勝目。新人左腕では67年・江夏以来54年ぶりの快記録だ。

 「立ち上がりから調子が良いって分かってたので、行けるところまでしっかり投げようという気持ちでした」

 序盤から圧巻だった。初回から五回1死までパーフェクト投球。1-0の七回無死一塁では、絶好調の鈴木誠に対して外角低めに丁寧に投げ込み、最後はチェンジアップで遊ゴロ併殺に打ち取った。

 「(打席が)回ってこなければ続投しようと思っていた」と矢野監督が信頼を寄せるほどの快投。リーグ単独トップ13勝目を狙った九里との投げ合いを制し、19日・ヤクルト戦で同じく13勝を目指す青柳をアシストだ。

 ヒヤリとする場面にも動じなかった。七回2死で坂倉の放ったライナーが左の臀部(でんぶ)に直撃。マウンド上で苦悶(くもん)の表情を浮かべた。一度ベンチに下がったもののすぐにマウンドへ。2死一塁から菊池涼を三ゴロに仕留めた。

 アクシデントをものともしない丈夫な体には、ある秘密がある。父・正宏さんは、牛乳の販売店を経営。伊藤将は幼いころから毎日1リットルの牛乳を飲んで育った。プロ野球選手になった今でも、寮にある紙パックの牛乳を毎朝2本飲んでいるという。「1日2本」の習慣がパワーの源だ。

 この日の聖地は冷たい風が吹き込んだ。それでも、いつもと変わらぬ半袖姿で好投を見せた左腕。「暑がりですね(笑)冬でも半袖で投げられます。手首くらいにあるのが嫌で」。こだわりのスタイルも貫き、肌寒い聖地を熱く盛り上げた。

 これで目標とする2桁勝利も視界に捉えた。「しっかり自分の仕事をして、個人としても良い結果を残せるように」。頼もしいルーキーが、ラストスパートをかける。

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