「ＤｅＮＡ０－２阪神」（６日、横浜スタジアム）

　勢いが加速してきたで！阪神が５連勝で、両リーグ一番乗りで７０勝に到達。クライマックスシリーズ進出を決めた。立役者はメル・ロハス・ジュニア外野手（３１）だ。四回に右中間へ先制７号２ラン。２日の再昇格後初安打がＶ弾となった。首位・ヤクルトも勝って１ゲーム差は変わらなかったが、残り１５試合での逆転Ｖへ視界は良好だ。

　港町の夜空に高々と舞い上がった打球は逆風をものともせず、鮮やかな放物線を描いて右中間席に突き刺さった。３試合ぶりのスタメン起用に応える７号先制２ラン。５連勝の瞬間をベンチで見届けたロハスは、仲間と喜びを分かち合った。

　「（試合前の）打撃練習から感じが良かったので」と好感触を手に迎えた四回１死一塁。大貫が投じた真ん中のカットボールをかち上げた。

　「結果的に大きな点になったので、非常に満足しています」。９月８日・ヤクルト戦以来の一発がチーム唯一の得点。完封勝利に導く決勝点となった。

　８月は月間打率・２８１、４本塁打と奮闘したが、９月に入ってから同・１６７、１本塁打と低迷。９月２２日に出場登録を抹消され、またファーム暮らしが始まった。１軍がし烈な優勝争いを繰り広げる中、悔しさを胸に再昇格を目指す日々…。息が詰まりそうになった時に手を差し伸べてくれたのが、平野２軍打撃コーチだった。

　「よく気にかけてくださいました。（降格）初日からいろいろ声を掛けていただいて、気持ちの面で助けていただきました。平野さんのためにも今日はいい結果が出たので、非常にうれしく思います」

　盟友のサンズが極度の不振に陥り、入れ替わる形で２日に１軍昇格。２試合で計３打数無安打と結果を残せていなかったが、自慢のパワーでヒーローになった。矢野監督も「やっぱりホームランが今、大きな得点源になっている」と目を細める。八回は先頭で一塁線を破る二塁打を放ってマルチ安打。しかし、満足感はない。

　「勝ちに貢献するために来ていますし、それが仕事だと思っているので。もっと続けられるように頑張っていきたいなと思います」

　チームは両リーグ一番乗りで７０勝に到達。３位以上が確定し、ＣＳ進出を決めた。首位・ヤクルトとは１ゲーム差。怒濤（どとう）の勢いで走るライバルを追い、必ず抜き去る。