【狩野恵輔氏の眼】チームの勇気に応えた阪神・高橋の復活星
「阪神1-0中日」(18日、甲子園球場)
阪神・高橋遥人投手(25)が7回2安打無失点の満点投球で、329日ぶりとなる今季初勝利を挙げた。4回6失点と期待を裏切った前回登板からのリベンジを果たし、10奪三振と竜打線をなで斬った。
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レベルアップした新しい高橋を見せてもらった。満点に近い内容だったし、中でも素晴らしかったのは両サイドのコントロールだ。
昨季まではボールの勢いで相手打線を抑えるような印象だった。だが、この日のような制球力があれば、たとえ本来の調子ではない時でも、試合を作るピッチングができる。
チームにとっても非常に大きな1勝といえるだろう。雨天中止となった17日の先発は秋山だった。だが、秋山をスライドさせず、高橋が予定通り先発した。10勝している秋山の登板日をずらして、今季初登板だった9日・ヤクルト戦で4回6失点した高橋にこの日のマウンドを任せたのだ。
高橋のコンディション面への配慮があったのかもしれない。それでも、チームにとって勇気のいる判断だったと思うし、これに高橋が7回無失点の好投で応えたことに価値がある。優勝争いをしていく上で、高橋が先発ローテに加わったことはすごく大きい。