阪神・サンズ 西勇にかわって代打V撃!苦しむ助っ人が苦しむエース救った
「広島1-4阪神」(10日、マツダスタジアム)
こん身の一振りで、スタジアムの雰囲気をガラリと変えた。阪神の代打ジェリー・サンズ外野手がさすがの勝負強さを発揮だ。難敵・大瀬良を沈めるタイムリー。祈るように見つめた西勇へ100勝目をプレゼントした。
「みんながつないでくれたチャンスだったし、代打だったからとにかくランナーをかえすという気持ちで打席に入ったよ。いい仕事ができて良かったね」
1-1の六回、1死満塁。糸原、ロハス、梅野が全力疾走で作った好機に闘志をメラメラ燃やしていた。さらに5回1失点と好投した西勇の代打に「出番が来ると思っていたので、心も体もしっかり準備できていたよ」と力こぶ。ボールを見極め、最後は直球をコンパクトに振り抜いて、中前へはじき返した。
前夜は初回のピンチに自身の失策が失点に絡み、打席では3三振と精彩を欠いた。この日は3試合ぶりにベンチスタート。来日1年目の昨季は秋に大失速してしまったが、今季のテーマは「好不調の波をなくすこと」。ここ最近はロハスらとの併用でエネルギーもたっぷり。「どんな場面でも準備することは一緒だよ」と自然体だ。
矢野監督も思惑通りの展開にニンマリ。「ジェリー(サンズ)で何とかしてくれるだろうと思って送り出したけどね。あそこで点が入らないと、またムードが重たくなるんで。チームにとっても大きな1勝になったんでね。ナイスバッティングでした」とたたえた。
勝利のハイタッチを終えたサンズはメモリアルボードを掲げる西勇を拍手でたたえた。「いい投球をしてなかなか勝ちを付けられなかったので、今日は自分の仕事ができたよ。点が入って、勝ちにつながって本当に良かった」とニッコリ。仲間思いの助っ人が勝負の9月にもう一度、ギアを上げる。