「阪神４－３巨人」（４日、甲子園球場）

　首位奪還へ向け、見事なバトンリレーだった。一瞬の隙も見せられないマウンド。勝利を信じて及川、小川、岩貞の３投手が堂々の零封でつないだ。スコアボードに刻まれた「０」の数字。猛虎救援陣の踏ん張りが、劇的勝利を導いた。

　最大の立役者は、１点ビハインドの七回１死一塁で登板した及川だ。これ以上失点は許されない場面。「３試合連続で失点をしていたので、今日は何としても０点で抑えるという強い気持ちで投げました」と四球と申告敬遠などで２死満塁のピンチを背負ったが、臆することはない。代打・中島を空振り三振に仕留めて切り抜けた。

　八回は小川だ。「攻撃にいい流れをもってこられるような投球を心がけていた」。先頭の岡本和を右飛。続く中田に左前打を許したが、後続を締めて岩貞にバトンを託した。

　後輩の奮闘に、投手キャプテンが気迫の投球で応えた。九回は先頭から松原、若林、丸を簡単に料理。「勝ちたいというただその一心で投げました。自分の役割は果たすことができたと思いますし、キャプテンの大山がすごい仕事をしてくれた」。最高の形で４勝目を手にした。

　最後まで諦めず、チーム一丸でつかんだ勝利。鉄壁の救援陣がこれからも勝利の礎となる。