「阪神２－１中日」（１日、甲子園球場）

　まさに救世主の働きだ。阪神は３番・マルテが連夜の大暴れ。１点を追う六回１死二塁。苦戦していた松葉から同点の中前打を放つと、一塁ベース上で大興奮だ。

　「初回は同じような場面で凡退してしまったから絶対に打ちたいと思っていたね。同点になって良かったよ」

　マルテが振り返ったように初回の１打席目は１死二塁から空振り三振。珍しく２打席目も空振り三振に倒れたが、３打席目できっちりとリベンジを果たした。

　復帰２戦目。前夜は悔しい敗戦の中、５打数２安打３打点と勝負強さを見せた。この日も八回１死から中前打を放ち、２試合連続マルチ安打をマーク。北川打撃コーチの言葉がマルテの存在価値を物語る。

　「長打だけでなく選球眼もいい。つながりというのをできるバッター。打線というものがすごく生きてくる。本当に重要な存在」

　チームは大山、佐藤輝の不振で決定力不足に陥っていたが、マルテの復帰で風向きが変わりつつある。ムードメーカーの役割も担う男は力強く宣言した。

　「自分のできることはいつもしっかり準備して力を出し切ること。もっともっと貢献していきたいね！」。矢野監督から前半戦ＭＶＰに選ばれた助っ人が、重苦しい雰囲気をガラリと変えた。