阪神・青柳 誰よりも努力した“やる気のない子”

 「阪神8-2DeNA」(24日、京セラドーム大阪)

 球団史上初の偉業を軽々と成し遂げた。阪神・青柳晃洋投手(27)が7回7安打2失点の好投で自身初、リーグ一番乗りとなる10勝目をつかんだ。ドラフト5位以下で入団した生え抜き投手による球団初の2桁勝利。自身8連勝。だが、目標はあくまで13勝。変則右腕に慢心はない。

 幼い頃は自称「やる気のない子」。小学4年まで習っていたエレクトーンも「最後はサボり気味だったので」と青柳は笑いながら振り返る。将来の夢も…。「何になりたいとかは特になかったですね」

 小学5年から野球を始めて人生が変わった。憧れは松坂大輔。中学時代は3番手投手だったが、腐らなかった。「試合に出られるように頑張ろうと思っていました」。川崎工科に進学後も野球を続けると決意した時、同時にプロを目指すと心に決めた。

 東京五輪期間中に「プロ野球選手になっていなかったら何になっていたの?」と聞いてみた。すると、また笑いながらこう答えた。「高校からそのまま工業系に就職していたんじゃないですかね」。

 “やる気のない子”は野球の魅力に取りつかれ、誰よりも努力してここまで成長した。

(デイリースポーツ阪神担当・中野雄太)

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