関本四十四氏“伝説の狂乱甲子園”を回顧 V逸虎党がG戦士襲撃 伝統の一戦通算2000試合

 偉大なるOBたちが華麗なプレー、豪快な一打で歴史を積み上げてきた伝統の一戦が、5月15日の対戦で通算2000試合目の節目を迎える。現役時代に巨人に在籍したデイリースポーツ評論家・関本四十四氏(72)が思い出の一戦、心に残るシーンを振り返った。

  ◇  ◇

 あれほど甲子園が怒り狂った一日はないだろうな。1973年10月22日、巨人がV9を決めたシーズン最終戦。勝った方が優勝という大一番だった。試合は序盤から巨人が圧倒。俺はリリーフ待機だったが、殺気立つ観客の雰囲気に「これはやばい」と思ったな。

 怒号が飛び交い、ベンチの上から五合瓶も降ってきた。怒りに震えた阪神ファンが次々と金網によじ登り、最終回には飛び降りようとしていた。乱入に備えて選手数人が警備員役を務めることになり、俺はそのうちの一人だった。

 手袋をはめ、アンダーシャツを2枚重ねて待機。試合後はなだれ込んできたファンともみくちゃになり、ベンチ裏から追い出した。王さんに群がるファンも払いのけたな。胴上げも何もない。めちゃくちゃな優勝だった。

 予兆はあった。阪神は前日の試合で勝てば優勝だったが、中日に敗戦。巨人軍は移動する新幹線の中からナゴヤ球場のスコアボードを確認し、中日リードを知ったんだ。阪神はその試合でエースの江夏を途中降板させ、大バッシングを浴びていた。相手の雰囲気は悪く、負ける気はしなかったな。

 今では、巨人と中日が優勝をかけて戦った94年の10・8決戦が取り上げられるだろう。でも、その前にも“伝説の試合”があったんだよ。

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