【佐藤義則氏の眼】ドラ2伊藤将のローテ入りも1つの選択

 阪神ドラフト2位の伊藤将司投手(24)=JR東日本=が開幕ローテ入り、1軍生き残りへ奮闘中だ。高橋の故障離脱、チェンの加入などで左の先発要員が流動的な中、伊藤将の実力、将来性をデイリースポーツ評論家の佐藤義則氏(66)がズバリ診断する。

  ◇  ◇

 横浜高時代の投球も覚えているが、ブルペンを見る限り、当時の「高校生らしい」投球フォームから、大学、社会人を経て、立ち姿でも分かるように、非常に堂々として、安定感が増していることが分かる。

 特徴的なのはステップ時に、右手を高く上げ、ボールを持った手は大きく下げている。

 変則フォームと言えなくもないが、プロの投手として大切なことは、例えば球を見づらくするとか、十分な制球力を確保するというところであり、このフォームが伊藤将にとって、そうした狙いに合致しているのなら、全く問題ない。

 新人とはいえ、高校を出て以降、キャリアを重ねる中で培ってきたフォームを尊重したいし、左肘がしっかり上がってきている。

 これが「間に合わない」場合、そこから慌てて腕を振らなくてはならなくなり、上体が開いてのリリースになるが、伊藤将にそうした悪癖は見られない。事実、直球や変化球ともにばらつくこともなく、「通用する」と思わせるボールを投げていた。

 あえて言うなら、真上から投げ下ろすタイプだけに、横の角度はつけにくい。左打者の腰を引かせるとか、外角を遠く感じさせるとか、そうしたベースを広く使える球種、工夫を磨いていけばさらに良くなる。

 ローテで左投手が1人欠けたから、代役も左という安易な発想ではなく、力を備えた左投手として伊藤将を先発で回す案も「あり」ではないだろうか。

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