【ありがとう球児】元虎投手・井川慶氏 藤川は「野球センスの塊」同じ高卒の1年後輩

 今季限りでの現役引退を発表した阪神・藤川球児投手(40)が、10日・巨人戦(甲子園)で最後のマウンドに上がる。引退試合へ向け、藤川にゆかりのある人々が語る球児伝説を紹介する。最後は元阪神投手の井川慶氏。

  ◇  ◇

 井川にとって藤川は、同じ高卒の1年後輩となる。阪神退団後にメジャーリーグに戦いの場を移したことも共通点だが、入団直後から藤川のタレント性は群を抜いていたという。

 「投げるのも走るのもバッティングも、何を取ってもうまいなと。野球の天才というか、野球センスの塊だと思いましたね」

 練習を共にすれば、ポテンシャルの高さはすぐに分かった。「僕は守備練習とかやっても全然不細工で、打てないし。そこは全然違いました(笑)」。何をやらせてもセンスを感じさせながら絶妙にこなす。エースとなる井川も持ち得ないものが藤川にはあった。

 藤川がリリーフとしてブレークしたのは05年で、井川は06年オフにヤンキースに移籍。04、05年オフとメジャー挑戦の夢を訴えた流れで、周囲から批判を浴びることもあったが、藤川に救われた部分があったという。

 「球児は認めてくれていたというか、気持ちを分かってくれていたというか。球児もいずれ通る道だと自分でも分かっていたからだろうし分かり合ってくれたというか」

 ともすればチーム内で浮いた存在となる中、より高みを目指そうという自分の理解者でいてくれた。アメリカでの経験も「終盤にひっくり返される試合がアメリカではマイナーでも多くて。でも日本ではそれを感じなかったので、球児の安心感のすごさが改めて分かりました」と振り返るように、グラウンド内外でつながりを感じられる存在だった。

 「人間関係とかもしっかりできて、人のために動ける人だから、タイガースのために、もう一肌脱いでほしい。指導者として、タイガースのために頑張ってほしいというのがあります」。共に生え抜き選手としてタイガースで一時代を築いたレジェンド。だからこそ分かり合える思いと期待がある。

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