阪神ボーア2発!秋山との約束果たした 直近5戦で5発、虎トップタイ12号

 6回、2ランを放ち、ベンチ前でポーズをとるボーア
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 「阪神11-3中日」(26日、甲子園球場)

 男の約束があった。

 衝撃音を残した白球が、低い弾道でグングンと伸びる。最後のフォロースルーは右手1本。強烈な浜風を阪神・ボーアは物ともしなかった。2戦連発の11号で流れを呼び、12号2ランで勝利を決定付けた。「大好き」な甲子園。バットとマイクで、助っ人の独壇場だった。

 「メッチャ、ウインド」。試合後のヒーローインタビュー、苦々しい顔で右翼方向を見つめた。幾多の強打者がはね返されてきた浜風。ボーアは「ライナーで強い打球を」と心掛け、二回の打席に向かった。フルカウントから139キロのフォークに反応。イメージ通りの白球を運んだ。

 実は試合前、練習中に秋山からホームランを懇願された。先発投手のリクエストに「打つよ」と快諾。有言実行の一発で先制すると、さらに六回だ。陽川の逆転3ラン直後、2死一塁で迎えた打席。初球、外寄りの149キロを、左中間スタンドに運んだ。浜風に乗せた逆方向への一発。1試合2本塁打は21日・ヤクルト戦以来2度目だった。

 「約束を果たすことができてよかったね」

 直近5戦で5本塁打。チームトップタイに並ぶ12本塁打のうち、甲子園で6本塁打と本拠地に強い。甲子園で打率・290、12打点。代名詞となった「ファイアボール」も連発させた。「打席を重ねるたびに、状態も良くなってきたと思う」。復調に手応えがにじむ。

 親日家として来日。好調を支える日本食がある。「おいしい物が多すぎて悩むね」と言う中、お気に入りは日本の担々麺。遠征先でも、テークアウトで取り寄せ、食べ比べするのが楽しみの一つだ。甲子園では冷やし担々麺。「Wサイズ食べた」と、“勝つ飯”の存在が打球を一伸びさせた。

 陽川のゴリラパフォーマンス後、お立ち台でも絶好調だった。「ファイアボールを見せて」と、スタンドのファンに珍要求。見届け、滑らかな日本語で「マアマアネ」と笑わせた。「タイガースファン、メチャメチャイイ」。ここからだ。大好きな甲子園が、B砲の量産態勢を予感させる。

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