藤田平氏、阪神・ボーア徹底分析 腕の使い方Good!でも下半身の強さ足りない

 デイリースポーツ評論家の藤田平氏(72)が、阪神のジャスティン・ボーア内野手(31)=前エンゼルス=の打撃を徹底分析した。長所として腕の使い方を挙げると同時に、オープン戦で本塁打の出なかった原因を下半身の弱さにあると指摘。下半身強化の方法として、猛虎史上最強助っ人で知られるランディ・バース氏(66)が阪神時代に取り組んだ“近隣ラン”を勧めた。(連続写真は右から順番に1から12)

  ◇  ◇

 ボーアの長所は腕の使い方がうまい点だろう。連続写真(1)~(9)を見ても、スムーズにバットが出ていることが分かる。余分な力が入っていないのもいい。変なクセもなく、ボールに対して素直にバットが出ている。さらに写真(9)までで見られるように、最短距離でミートもできている。

 ただし、春季キャンプやオープン戦などを見る限りは、下半身のぐらつきが気になる。そのことが影響して、これまでは上半身の強さだけで打ちにいっている印象が強い。

 土台がぐらつくというのは、下半身の強さが足りていないため。このことが今までホームランの出なかった理由につながってくる。

 まず打撃フォームの理想の形は、連続写真(3)~(6)の右足を上げている間に、相手投手へ自分の臀部(でんぶ)を見せるような姿勢になっていること。これまでのボーアは、この形ができておらず、連続写真でも分かる通り、腰の入りが足りていない。

 さらにいえば、右足を上げたところから上半身が倒れるような前のめりな姿勢になっている。このことも、下半身の強さが不十分なことが原因。軸足である左足の粘りが足りていないため、タメをきかせられていない状態なのだ。

 しっかりとした粘りやタメをつくる土台ができれば、上半身任せではないフォームとなる。上、下半身のバランスが崩れなければ力がボールに伝わるし、自然と打球も上がるはずだ。

 ボーアはメジャーでもキャリアを積んできた。日本でも成功しようと来日したはず。阪神の外国人選手で成功した好例はやはりバースだろう。彼は元々、引っ張る打撃スタイルが特徴だったが、反対方向への打撃も覚えた。

 忘れてはいけないのが、慣れない環境でも順応しようとする姿勢があったこと。また、バースはよく下半身を鍛えるために自宅マンション周辺を走っていた。誰も見ていないところで陰の努力ができることが大事なのだ。

 新型コロナ感染拡大の影響で開幕が再延期となった。シーズンまでの時間は延びたが、練習環境など制約もあるだろう。その中でも意識してほしいのは、しっかりとした土台=下半身をつくるには、まず走ることが大切だということ。この先、練習環境が整えば、打ち込みやノックをたくさん受けていくのも効果的な方法だ。

 腕の使い方は申し分ない。ミートまでのスイングもいい。後は強い下半身をつくれるかだけ。そうすれば、長打も十分に期待できる。

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