退団表明の鳥谷 シーズン最終戦に代打で右飛 大歓声にヘルメットを掲げる
「阪神-中日」(30日、甲子園球場)
今季限りでの阪神退団を表明している鳥谷敬内野手(38)がレギュラーシーズン最終戦で七回先頭に代打で登場。結果は右飛だった。聖地に駆けつけた大観衆からの割れんばかりの声援と万雷の拍手が降り注がれる。鳥谷はヘルメットを掲げ、ファンの思いに応えた。04年にタテジマのユニホームに袖を通してから16年。この日は通算2169試合目の出場だった。
これ以上に粋な舞台はない。ファンが飛ばすジェット風船が聖地に舞った直後だった。勝てばチームのクライマックスシリーズ進出が決まる今季最終戦。六回2死一、二塁で梅野の場面で一度、ネクストサークルに入った鳥谷。ただ、梅野が一飛に倒れ“仕切り直し”での登場だった。
場面は3点リードで迎えた七回。「代打・鳥谷」のアナウンスが響き渡る中、打席へ。この回先頭打席で中日4番手藤嶋から放った打球は右飛となった。直後の八回の守備から慣れ親しんだ遊撃に就いた鳥谷。ファンからの「鳥谷コール」に帽子を掲げて応えた。
試合前練習では嬉しいサプライズも。バックスクリーンに「阪神16年 鳥さん ありがとう!」と表示された中、背番号「1」と「TORITANI」と記されたTシャツを着た選手やスタッフらがグラウンドへ集結してくれた。
外野の中堅の位置で記念撮影に収まると、今度は長年守り続けてきた甲子園の遊撃の位置で阪神園芸のスタッフと写真撮影。この日の試合では、北條が打席に入る際の登場曲を、鳥谷が以前使用した「Sexy Papi」に変更していた。
鳥谷は8月25日のヤクルト戦(神宮)の後に、「最後の打席になるかも」と意味深発言。同29日の午前中に、球団事務所で“引退勧告”を受けた。
それでも、自らの出番に備え準備を進めることは変わらない。9月11日のヤクルト戦の八回に代打で左翼線適時二塁打を放ち今季初打点。同22日のDeNA戦では五回に代打で登場して先制の決勝タイムリーを放ち今季初のお立ち台に登った。
これまで幾度も歴史を彩ってきた。阪神では11年に最高出塁率、17年9月8日のDeNA戦(甲子園)で通算2000安打達成したほか、ベストナイン6度、ゴールデングラブ賞5度。さらに歴代2位となる1939連続試合出場を記録した。
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