矢野監督が涙の約束 奇跡のCSへ…横田にもらった勇気と力

 ナインの手で胴上げされ、宙を舞う横田
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 「ウエスタン、阪神4-2ソフトバンク」(26日、鳴尾浜球場)

 阪神の矢野監督が、平田2軍監督が、梅野が、そしてファンが…誰もが泣いていた。26日の甲子園での全体練習後、1軍からもほぼ全選手が鳴尾浜に駆け付けて行われた横田慎太郎外野手(24)の引退セレモニー。目を真っ赤にしながら取材に対応した矢野燿大監督(50)は「横田にしっかり見てもらって…俺らも頑張っているという姿を見せていく」と感動と勇気をもらい、残り試合に向けて気持ちを奮い立たせた。

 新たな一歩を踏み出す青年の熱いラストプレーに、実直さがにじみ出るスピーチに、鳴尾浜が温かい拍手に包まれる。この日の“主役”に歩み寄った矢野監督は言葉を掛けながら花束を手渡し、横田の右肩をポンポンっとたたいた。

 「ありきたりのことしか言えてないけどね。逆にアイツから勉強させてもらうことが多かったし…そういうような言葉を言ったと思う」。セレモニーを見届け、報道陣の前に姿を現した指揮官の目は既に潤んでいた。

 何度も鼻をすすり、言葉を詰まらせる。最も涙腺が緩んだのが、2軍監督として間近で接していた昨年のことを思い出したときだ。「まあ…いざ、自分にと置き換えたとき、ここまでできるのかと。それは…大変やったと思うし…。それは…毎日、見てきた…」。ここまで話すと、しばらく言葉は続かない。

 「…いつも、横田がベンチで声を出していて、『あれ、きょう横田の声が聞こえへんな』と思ったら『病院に行っています』とか…。出られないのに声を出すとかさ。なかなか前に進まない中で、それを貫くのは簡単なことじゃないから」。そう言って、また鼻をすすった。

 横田が最後に見せた魂の本塁返球に「ほんとに神様が起こしてくれたというか。あんなバックホーム、なかなかできへん。あの場面であそこに飛んでアウトにして、(チームが)勝ち越して…うん、すごいね」。感心しながら何度もうなずいた。

 横田の姿勢、そして誰もが目を見張ったラストプレーに、チームは勇気をもらった。「恩返しというわけじゃないけど…。横田にしっかり見てもらって、俺らも頑張ってるという姿を見せていくというものにもなったと思う」。まずは目の前の残り3試合。横田の思いも背負いながら戦い抜く。

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