高橋聡、引退会見は涙なし「野球は人生そのもの」晴れ晴れ表情で

18年間の現役生活について語る高橋聡(撮影・坂部計介)
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 阪神の高橋聡文投手(36)が25日、西宮市内球団事務所で会見し、今季限りでの現役引退を発表した。涙のない10分間の引退会見。中継ぎだけで突き進んだプロ18年間に、「野球は自分の人生そのもの。野球が全てでした」と晴れ晴れとした表情で締めくくった。

 中日と阪神で、貴重な中継ぎ投手として活躍した左腕だった。だが、左肩のコンディショニング不良に悩まされたこともあって、今季はここまで1軍登板なし。2軍戦での登板数も減少していた。「引退を決めたのは1週間以内のこと。来年もやろうかな、やめようかなとずっと迷っていた」とここ最近の胸中を明かした。

 数々の修羅場をくぐり抜けてきた男が、現役生活に終止符を打つことになった。中日と阪神でブルペンを支えた高橋聡。強気なマウンド度胸を兼ね備えた左腕は、高岡第一高から01年度ドラフト8巡目で中日に入団。4年目の05年に61試合登板を果たすと、以降は浅尾とともに絶対的守護神・岩瀬につなぐセットアッパーを任される存在となった。

 10年には自己最多の63試合に登板し、4勝1敗、31ホールドで防御率1・61の好成績を残してリーグ優勝を支えた。15年オフにFA宣言し、当時の金本監督から熱烈なラブコールを受けて阪神入り。阪神1年目の16年は54試合、17年は61試合に登板するなど、新天地でもいきなり、猛虎ブルペン陣の一角として存在感を発揮した。

 プロ18年間で、531試合に登板。全てが厳しい場面、中継ぎでの起用だった。「荒れたマウンドがよかった」と中継ぎ魂をのぞかせ、記憶に残る対戦には阪神・金本、同じく今季限りでの引退を表明した巨人・阿部を挙げた。「チームを代表する左打者を抑えること…周りから見たらただの1球でも、でもものすごく考えて投げた1球でした」と誇らしげだった。

 最後に少し悩みながら、「悔いはない」と話した左腕。チームを陰で支え続けた男が、静かに…そして笑顔でユニホームを脱ぐ。

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