岩貞 復活圧投!4カ月ぶりマウンドで6回0封 3位・広島と2差に

 6回、丸を一ゴロに打ち取った岩貞は、グラブをたたきながらベンチへ戻る
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 「阪神2-0巨人」(1日、甲子園球場)

 155日ぶりの美酒だった。阪神の岩貞祐太投手(27)が首位・巨人の強力打線を相手に6回3安打無失点に抑え、3月30日以来の2勝目を挙げた。5月にインフルエンザ感染で登録を抹消されると、その後は右脇腹肉離れの故障にも見舞われ、長期の戦線離脱となったが、復帰登板で見事に存在を示した左腕。この勝利で3位・広島とのゲーム差は2と接近。逆転CSへ、力強い戦力が帰ってきた。

 久々勝利の充足感が、試合後の岩貞を笑顔にした。本拠地の大歓声、仲間と交わすハイタッチが心を満たす。ふがいなさ、焦り、悔しさを抱いて苦しんだ約4カ月が、今季2勝目という最高の結果で報われた。「甲子園のお客さんの前で投げるために必死にリハビリをした。時間はかかったけど戻って来られて本当によかった」と喜びをかみ締めた。

 126日ぶりの先発マウンドは開幕2戦目の自身今季初登板より「緊張してしまって」と苦笑い。初回先頭の亀井に右前打を許したが、「亀井さんにヒット打たれて、地に足つけて投げられた」と平常心を取り戻した。

 両手で帽子を整え、軽く両肩を上下させるルーティンから、力強く腕を振る。三回は今村を三振に仕留めて1死後、亀井を低めスライダーで空振り三振。続く坂本勇にはカウント1-2から143キロ直球で、連続三振。塁上に走者はいない状況だったが「気持ちよく打たれることは避けたいと思った」とクイックで打者を惑わせた。

 5月4日にインフルエンザ感染で登録抹消、その後は右脇腹肉離れで戦線を離脱した。フォーム作りからの地道な日々。数年前から取り組む平均台を使ったトレーニングを、香田2軍投手コーチと行った。1勝に終わったプロ2年目の秋季キャンプでは、同コーチから腕の振りを縦に修正された。指導を受けて課題をクリアし、16年にはローテの座にたどり着いた過去がある。

 今回も、香田コーチがそばにいてくれた。「練習法やポイントを教えてもらった。最初から香田さんがいてくれて、本当に感謝しています」と恩義は尽きない。鍛錬を重ねる愛弟子に、香田コーチは「彼の努力の、たまものですよ」と優しいまなざしを向けた。

 五回の打席では犠打を失敗したが、その後、近本が適時三塁打を放つとベンチで両手を合わせ、感謝した。6回3安打無失点の快投。矢野監督は「この時期としても大きい。1人でも2人でも、どんどん出てきてくれたら」と目尻を下げた。「(2軍での日々は)本当に無駄じゃなかった。それを今後、示していかないといけない」と岩貞。虎投に、頼もしい男が帰ってきた。

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