ドラ1近本 虎新人7人目100安打 6本目の三塁打はリーグ単独トップ
「巨人16-4阪神」(28日、東京ドーム)
スタンドに詰めかけた虎党を熱狂させるのに、5分もかからなかった。一回、真っさらな左打席の足場を固め、阪神のドラフト1位・近本が打線の口火を切る。狙い澄ました一撃はリーグ単独トップとなる今季6本目の三塁打。節目のシーズン100安打を達成し、チームの先制点をアシストした。
近本は第1打席の重要性を分かっていた。3連勝を狙う3戦目。「きょう一日、1打席目をテーマにしていた」。巨人先発・桜井の2球目、1ストライクから内寄りのカットボールを力強く引っ張ると、痛烈な打球は一塁線を破った。
無人の右翼ファウルゾーンに転がる白球。迷わず二塁ベースを蹴り、瞬く間に近本のスパイクが三塁ベースを突き刺した。自身の存在価値を象徴する電光石火の三塁打が、今季ともした100度目のHランプとなった。
球団新人では16年の高山以来、3年ぶり。球団記録はその高山の136安打。チーム95試合目での100安打達成はシーズン150本ペースで球団記録を悠々上回る。それでも「自分の仕事ができれば、ヒットの本数は関係ない」と数字には興味を示さないのが近本だ。
傾向を踏まえた一打でもあった。今カード初戦は2安打を放ち、2戦目は無安打。内角を突かれている相手バッテリーの配球を意識し、「その辺を頭に入れながら」バットを振り抜いた。冷静さを失わないあたりが近本らしく、頼もしくもある。
四回の守備では、1死一塁から亀井の中前へ弾みそうな打球を猛チャージしながら捕球できず、三塁打としてしまった。だが「勝負にいって捕れなかったと分かった」と今後の糧にしていく構えだ。
大敗を喫したものの、チームはカード勝ち越し。頼れる斬り込み隊長が、猛虎の再加速を支えていく。
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