マルテ“真”助っ人は俺ダ~ン!“新”助っ人獲りに奮起 一発神話7戦7勝

 「阪神3-1広島」(5日、甲子園球場)

 衝撃音が鳴り響いた。そして生まれたのは一瞬の静寂。阪神・マルテがゆっくりと、その一歩目を踏み出した。「何とかファンの人に喜んでもらおうと必死に打ちにいきました」。フルスイングから解き放たれた打球は、同点に追いつく豪快な7号ソロ。この一打が、勝利への扉をこじ開けた。

 ようやく白い歯がこぼれた。流れたのは長く、苦しいひと月もの時間。「焦りが少しあったので、今は楽に呼吸ができる気持ち」。最後に本塁打を放ったのは、6月4日のロッテ戦までさかのぼる。そして前夜は、いずれも走者を置いた場面で4打数無安打。チームは新助っ人・ソラルテの調査を開始している。そんなもどかしさをバットに込め、一振りで振り払った。

 見せ場は、1点を追いかける五回。先頭で打席へと向かうと、そっと自らに言い聞かせた。「1打席、1打席。1球、1球が勝負」。そして迎えた7球目。高めに浮いた146キロの直球をフルスイングすると、打球は真っ赤に染まる左翼ポール際に着弾した。23試合ぶりの一発で同点。その後、糸井の勝ち越し打が飛び出した。これでマルテが本塁打を放てば7戦7勝。神話弾は継続された。

 奮い立たせていた。関東からの移動日となったこの日、試合前練習では打撃練習ギリギリの時間まで室内で打ち込みを行った。名古屋→横浜の遠征ウイークには、来日中の家族も帯同していたが、チームは大きく負け越し。「家族の前で、自分の好きな野球ができているのが幸せだよ」。そう、喜んでいた表情は次第に曇った。

 苦しい時間も、全てが力に変わった。うつむく顔を上げれば、目の前には喜んでくれるたくさんのファンがいる。「自分が打った試合で勝つことは特別ですね」。喜ぶ仲間と勝利を味わう。その瞬間は、格別だった。

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