ドラ1近本 スキ見逃さず初回内野安打を“三塁打”に

 1回、内野安打を放つ近本光司=甲子園
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 「阪神0-2巨人」(20日、甲子園球場)

 “快盗”近本や!阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が、初回に甲子園を仰天させる好走塁を見せた。遊撃内野安打で相手のスキを突き、一気に三塁を陥れた快足ルーキー。だが新人の孤軍奮闘も打線の起爆剤とはならず、今季2度目の完封負け。巨人戦は開幕から5連敗で、きょうにも最下位転落の可能性がある。平成最後となる伝統の一戦、頼むから意地を見せてや!!

 眼光が鋭く光る。近本が相手のスキを見逃さなかった。一瞬のことにベンチもビックリ、スタンドは騒然となった。わずか18秒の出来事。快足を生かし、内野安打を“三塁打”に変えてしまった。

 自身の先発出場としては、8試合続けてリードオフマンの役割を担った。まずは塁に出よう。強い気持ちが突き動かした。初回、先頭で打席へ向かうと、フルカウントからの6球目だった。白球をたたきつけると、遊撃への内野安打となり、出塁した。

 全速力で一塁を駆け抜けると、息を静かに吐いた。そして視線は次の塁へ。三塁・ビヤヌエバが二塁のベースカバーに入るはずが…誰もいない。一瞬のスキを見逃さなかった。一度緩めた快足を、再びアクセル全開に。「行けるっていう判断をした…いや勝手に行ってましたね」とすかさず二塁を狙った。

 これが相手のミスを誘う。ボールを持っていたヤングマンが、慌ててベースカバーに走った坂本勇に送球したが、それたボールは中堅へ転々。近本は一気に三塁まで陥れた。二塁進塁は野選、三塁進塁は失策が記録。得点にこそつながらなかったが、真価を発揮した瞬間だった。

 積極的な走塁を春季キャンプから何度も取り組んできた。時には清水ヘッドコーチと、時には筒井外野守備走塁コーチと。いつだってコーチと二人三脚で、走塁練習に励んできた。筒井コーチも、その成長に目を細めた。「価値ある走塁。準備力のたまものですよ」。本拠地で駆け抜けたのは、努力の証しだ。

 矢野監督も「スキあれば、行くというのはいい判断だった」と目尻を下げた。それでも近本は、言葉を絞り出す。「初回で見せられたっていうのが、今日は大きかったんですけど…」。試合に負けた。ファンが沸いた激走でも勝利を呼び込めず、ルーキーは唇をかんだ。

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