マルテOP戦初安打、コーチの制止振り切り生還!藤本コーチ「予想外の足の速さ」

 「オープン戦、阪神3-3日本ハム」(9日、甲子園球場)

 待望の一本が出た。阪神のジェフリー・マルテ内野手(27)が今年初の甲子園での試合となる日本ハム戦に「4番・三塁」で出場し、オープン戦初安打をマークした。七回に石川直から左翼線へ二塁打。走塁でも“俊足”を披露し、コーチの制止を振り切って得点を奪った。三塁の守備でも安定したグラブさばきを披露。試合は引き分けに終わり、連敗は止まらなかったが、新助っ人の活躍に首脳陣も胸をなで下ろした。

 聖地の大歓声を全身に浴びた。二塁ベース上で小さく両手をたたくマルテ。4番に座った背番号「31」を背負う助っ人が、オープン戦での初安打をマークし、地元のファンにあいさつ代わりとなる“聖地初安打”を届けた。

 待望の一本だった。七回、先頭で迎えた第3打席。1ストライクから石川直の2球目、真ん中に甘く入った129キロフォークを捉えた。「良い形でコンタクトできた」。鋭いスイングから放たれた打球は、左翼線を破ると瞬く間にフェンスに到達。悠々と二塁を陥れ、オープン戦3試合、8打席目でようやく「H」ランプをともした。

 マルテ劇場はここからだ。続く鳥谷の二遊間を破るライナー性の打球に迷わずスタートを切った。猛スピードで三塁を回る。タイミングが微妙だったこともあり、三塁コーチャーの藤本内野守備走塁コーチは両手を広げて制止の合図を送った。しかし助っ人は一瞬スピードを緩めようとするも勢いを止められず、再加速して“突破”。豪快なスライディングで本塁へ生還した。

 一時勝ち越しとなる好走塁。それでも「自分のタイミングで行きましたけど、コーチはリスペクトする存在。セーフになりましたけど、自分も直していかないといけないところもある」と反省した。

 一方で藤本コーチは自らの判断ミスとし、助っ人の積極的な姿勢を評価した。「俺の、走力を見極める力がなかった。スタートもよかった。足も動いていたし、予想外の足の速さ」と目を細めた。

 本職の一塁とは異なる三塁の守備でも安定感を披露したマルテ。「問題なかった」と計5度の守備機会で失策は一度もなかった。

 走攻守全てに全力を尽くすが、そこには何事にも負けたくないという強い気持ちが影響している。春季キャンプでのことだ。ナバーロと競争した坂道ダッシュではフライングスタートで勝利。メディシンボール投げでも他の選手が高く上げていると本来の倍の数を投げて記録超えを狙うなど、負けず嫌いな一面を度々見せていた。

 来日後初となる甲子園での一戦を終え「(歓声は)うれしいし、たくさんのファンが来てくれた。シーズンに入ってもそういう中でやっていきたい」。思い描くのは超満員で埋め尽くされた球場でのプレー。闘志を燃やす助っ人が、今季の虎打線を引っ張る。

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