「阪神春季キャンプ」（３日、宜野座）

　阪神の馬場皐輔投手（２３）が今キャンプ初めてフリー打撃に登板し、抜群の投球を披露した。対戦相手の江越、板山をほぼ完璧に封じるなど全４４球で安打性の当たりはわずか３球。目標の開幕ローテ入りへ猛アピールだ。

　まずは江越と対した初球。外角いっぱいに直球が決まると、リズムに乗った。力強い真っすぐは、相手にバットの芯で捉えさせなかった。

　鳴尾浜で１月１３日から投球練習を開始。キャンプでも初日からブルペン入りして肩を仕上げてきた。ドラフト１位ルーキーとして臨んだ昨年よりも威力を増した右腕のストレートに、板山の打球も詰まる。３４球目、内角の直球にバットはバキッと鈍い音を奏でて根元から折れた。

　今年初となる打者相手の投球だったが、手応えは十分。「ブルペンより打撃投手のほうが球がいっていた。指のかかりだったり、球筋を見た感じでは自分の予想を超えていた」と納得の表情を浮かべた。

　投球を見守った金村投手コーチも「高めでファウルも取れて、低めの外角にもいい球が決まっていた」と目を細める内容。７日に行われるキャンプ初の紅白にも登板する予定。「これからもっと状態を上げていきたい」と力を込めた馬場が、がむしゃらに、そしてどん欲にローテの座をつかみにいく。