小野が6勝目!自己最長7回2/3を3失点9K 聖地での母校奮闘を励みに好投

 「DeNA3-8阪神」(11日、横浜スタジアム)

 目に焼き付けていた。諦めない姿を。阪神・小野が自己最長となる7回2/3を投げ8安打3失点、自己最多タイとなる9奪三振で6勝目を挙げた。「負けるわけにはいかないですよ」。冷静に、大胆に。敗れた後輩たちへ、エールの110球だった。

 今季初勝利を挙げた敵地・横浜スタジアムで2度目の登板。初回、初球で神里を二ゴロに打ち取ると、続くソトは3球三振。ロペスには四球を出すが、筒香は遊ゴロに打ち取った。二、三回は三者凡退。4四死球と突如カウントを悪くする“悪癖”も少し顔をのぞかせたが、終始気持ちのこもった強気の投球で凡打の山を築いた。

 失点を喫したのは四回。この日初めての快音を含む2本の安打と四球で、2死満塁とされた。この局面で、元同僚の大和に右翼への2点適時打を浴びた。さらには七回。またしても大和に右翼線への二塁打を浴びると、続く代打・石川に中前適時打を許した。それでも試合は壊さない。

 自己最長をかけ、腕を上下させながら八回のマウンドへと向かった。それでも2死満塁とピンチを背負った場面でお役御免に。「八回を投げきれれば、また自分の自信になったのかなとは思いますけど」。お立ち台では頭をひねったが、堂々の投球に観衆も拍手を惜しまなかった。

 登板前日の10日。テレビの前で見守っていた。練習のため初回しか声援を送ることはできなかったが、母校・折尾愛真の聖地初見参を見届けた。名門・日大三に3-16で敗れたが、大敗ムードの中でも諦めない姿に目を奪われた。「甲子園でプレーしている姿はかっこよかった」。そして八回に2ランを放ち、一矢報いたのは友人の弟だった。負けていられない。胸に誓った一戦でもあった。

 「大差で負けたけど、俺が活躍してやり返してやらんとね」

 ゲーム前にはベンチ内で一人、目を閉じた。思いを、力に。後輩たちへ、感謝と励みのエールとなった。

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