才木、初対戦で鯉倒!3勝目 両親の前で熱投も5回0/3を3失点に笑顔なし
「阪神6-3広島」(25日、甲子園球場)
空を見上げ、息をそっと吐いた。2点差に詰め寄られた場面での途中降板に、阪神・才木浩人投手は静かに唇をかむ。王者・広島を相手に、5回0/3を4安打3失点(自責2)。初対戦初勝利。それでも仲間に助けてもらった3勝目に笑みはなかった。
課題克服とはいかなかった。またしても立ち上がりの制球に苦しむ。2死走者なしから、丸&鈴木に連続四球。不必要な出塁を許すと、頭をよぎったのは前回登板だ。18日の巨人戦では初回に3失点。勝敗を分ける失点となった。「先発として先制点を与えることはいけない」。だからこそ大事な立ち上がりだった。それでも松山に外角のカーブをうまく拾われ、これが中前適時打に。後続は打ち取ったが、またしても先制点を許した。
その後は、味方が逆転に成功。守備でも体を張って止めてくれ、才木はただ必死に腕を振った。それでも五回には味方のミスから許した走者を生還させ、六回だ。「任されたイニングを投げることができなかった。リリーフの方にも迷惑かけた」。先頭のバティスタに被弾。試合後の才木は猛省し続けた。
ロード出発前最後の甲子園3連戦。スタンドには両親も駆けつけ、その一球一球をただ信じ、見守っていた。「お父さんが来る試合はなかなか勝てないから、ちょっと心配なんです」。母・久子さんが小さな声で話した心配事を若き力ではね返した。周囲からは力投を称える拍手。だが、笑みはない。仲間に助けてもらった借りは、次戦のマウンドで返す。
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