ロサお待たせOP戦1号 苦しんだ3月…25打席目「出て良かった」
「オープン戦、中日12-2阪神」(17日、ナゴヤドーム)
虎の新4番がついに打った。阪神のウィリン・ロサリオ内野手(29)=前韓国・ハンファ=が、オープン戦9試合、25打席目で初本塁打を放った。初回、ナゴヤドームに高々と舞い上がった打球は左翼スタンドへ。3月に入って調子の上がらなかったトロ(闘牛)が目覚めた。これで一安心。このまま開幕まで突進や!
高々と舞い上がった打球が、なかなか落ちてこない。一瞬の静寂の後、黄色く染まった左翼スタンドが沸き上がった。並外れたパワーを証明する一発。出場9試合、25打席目にようやく出た。ロサリオがオープン戦初アーチをかけた。
初回、先制ソロを放った糸井を本塁付近で出迎え、第1打席に入った。一発の余韻が残る中、左腕・小笠原の球をじっくりと見極める。そしてカウント3-1からの5球目だ。141キロの甘い直球を見逃さず、2者連続となる本塁打を左翼席に放り込んだ。
「あくまで練習試合ですが」と前置きした上で、「1本出て良かった」と安堵(あんど)したロサリオ。それもそのはず。2月の春季キャンプで残した“衝撃”を考えれば、オープン戦初アーチがこんなにも長引くとは、誰も予想だにしていなかった。
実戦3試合連続本塁打を放つなど、沖縄・宜野座では力を示し続けた。外のスライダーを見極め、逆方向へも長打を放つ。パワーだけではなく、技術も兼ね備えた新4番として、周囲の期待感を高めてきた。
その快音は、3月に入ってピタリと止まった。この日までオープン戦20打数3安打、打率・150と低迷。長打は一本もなかった。試行錯誤するロサリオに助言をくれたのは福留だった。
16日、甲子園の室内練習場での残留練習。フリー打撃を行っていいると、緩い球をステップしながら打つ練習方法を伝授された。狙いは上体の突っ込みを解消し、しっかりと間を取ることの意識付けだ。「(福留は)キャリアもあるし、いろんな知識も持っているので、それを生かすことができたのは良かった」と手を差し伸べてくれた主将に感謝した。
金本監督は「本人がホッとしてると思うしね」と新助っ人を思いやった。ただロサリオはまだ満足していない。「もっともっとやることはある」と次戦を見据えた。本当の勝負はまだ先にある。「3・30」に向けて、さらにギアを上げる。