藤浪25%大幅減…屈辱チームワースト下げ幅 来季復活へ「原点回帰」

 阪神の藤浪晋太郎投手(23)が1日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1億6000万円から、4000万減となる1億2000万円でサインした。大幅25%減、2年連続のダウン更改。来季に向けて「原点回帰」をテーマに、1年間ローテを守り抜く考えだ。(金額は推定)

 最後まで笑みはなかった。2年連続のダウン更改。会見に臨んだ藤浪は淡々と言葉を発した。「(金額は)妥当かなと思います」。キツく結んだ真っ赤なネクタイは、来季に向けた覚悟だろうか。テーマは「シンプル、原点回帰」。味わった屈辱は確かな糧にする。

 「今まで1軍でずっと投げていたので。自分のために何か調整するというのは、したことなかった。向き合う期間というか、いい時間を過ごせたと思う」

 自分自身に言い聞かせるように、今シーズンを前向きに捉えた。第4回WBCメンバーに選出され、金本監督から15勝以上を期待された1年。初登板の4月4日・ヤクルト戦、畠山への死球から乱闘騒ぎになった。以降、四死球による不安定さが改善されなかった。

 5月27日には5年目にして初めて、故障以外での2軍落ちを経験した。「積み上げてきたものが変わってしまった」。グラブの位置や足の上げ方に変化を加えるなど試行錯誤したが「こうすれば大丈夫だ、というところに立ち返った時、それでもダメだった」と振り返る。プロ入りワーストの3勝5敗、防御率4・12に終わった。

 この日、就任した谷本新球団本部長は「それほど甘い下げ幅ではない」と明かした。1億円を超える選手の減額制限は40%。今回は約25%減とみられるが、2位に上昇した中でチームワースト級の下げ幅だと認めた。その上で来季、欠かせない戦力として熱くエールを送った。

 秋季キャンプで右肩の違和感を覚えたが、問題はないもよう。「今年の経験があったからと言えるように。先発はローテを崩さず、イニングを投げること。そこは達成できるようにしたい」と藤浪。小野や才木ら、若い選手の台頭もある。それでも「自分自身のために、投げられるように」と言う。己と向き合った1年を経て、雪辱の2018年に挑む。

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