金本監督「選手気の毒」雨地獄で大敗 16日は総力戦

 「セCSファーストS・第2戦、阪神6-13DeNA」(15日、甲子園球場)

 雨中の壮絶な戦いに敗れた。間断なく降り続いた雨が、阪神・金本知憲監督(49)が誇る投手陣の手元を狂わせ、大量13失点で逆転負け。対戦成績は1勝1敗の五分となったが、泣いても笑っても最後の勝負。16日の第3戦に勝つか引き分けるかで、ファイナルS進出が決まる。

 連勝でのファイナルS進出を狙った一戦は、思うように進まなかった。水たまりが浮いた内野。雨をたっぷり含んだ外野の芝。DeNAと同じ条件とはいえ、降りしきる雨に勢いを遮られたような敗戦だ。運にも見放されたような結果を言い訳することなく、金本監督は選手をかばった。

 「まあ…(苦笑)。選手が本当に何か、気の毒でね。見てて、ほんと申し訳ないというか、別にオレがやれって言ってるわけじゃないんだけど、気の毒だったですね、ほんと」

 普通に野球ができる状況ではなかった。午前中から降り始めていた雨の影響で、1時間3分遅れでプレーボールとなったが、試合が進むごとにコンディションは悪化。ぬかるんだ足元が自由を奪う。転がるはずの白球は泥にまみれて勢いをなくす。劣悪な環境の中、桑原が登板した七回が分岐点となった。

 「(不運な打球が)2本あったわな、桑原のところ。それが6失点になってしまったかなと。でも、お互い同じ条件ですから言い訳できないですし」と金本監督。七回、先頭・梶谷が放ったボテボテのファウルと思われた打球が、一塁線沿いで止まってフェアに。急いで処理した梅野の悪送球も絡み、無死二塁となったところからの6失点だったが、全体的に雨の影響で継投に苦しんだ。

 試合成立となる五回までに3投手をつぎ込んだ継投。「いつ試合が中止になるか分からんという状態やったから。ちょっともう…早めにいかなあかんと思いつつも、最後まで、九回までいったら、という両方を考えないといけなかったから」。九回や延長の可能性を考えると、桑原も早い段階では代えられない状況だった。

 ダメージが残るような黒星を「しんどい試合でしたね、(継投など)考えることが多くてね」と振り返るが、下を向いている時間はない。これでDeNAとは1勝1敗。あと1試合、引き分け以上でファイナルS進出が決まる。「いいコンディションでね、総力戦でやっていきたいと思いますね」。気持ちを切り替え、選手を信じて勝ちにいくだけだ。

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