「オープン戦、阪神１－１ロッテ」（９日、甲子園球場）

　鮮やかな身のこなしだった。マウンド付近に転がったボールにすぐさま反応し、流れるようなランニングスローを見せた阪神・大山悠輔内野手（２２）＝白鴎大。久慈内野守備走塁コーチは「守備は全く心配していない。ああいうとっさの反応もできる」と目を細める。

　二回の守備。先頭・鈴木が放った強烈なピッチャーライナーが青柳のグラブをはじき、三塁側へ転がった。すぐさま動きだし、素手でボールをつかむとそのままランニングスロー。俊足の鈴木を間一髪でアウトにし、客席から大きな拍手が沸き起こった。

　１点リードの七回２死一、三塁の場面では、中村が放った痛烈なサードライナーをタイミングよくジャンプして好捕。打席では無安打に終わったが「守備とバッティングは違うので、しっかりと切り替えてやっています」と力を込めたルーキー。キャンプ中の実戦からいまだに失策はゼロと、抜群の安定感を見せている。

　高代ヘッドコーチも守備面での成長に目を細めており「守れる選手というのは大きいよ。レギュラーを取るための第一歩やから。守れない選手はどんなに打っても、そういう目で見られるから」と語っていた。安心してホットコーナーを任せられるだけの守備力を大山は持っている。